カミラ夫人のイギリスでの評判【世界一嫌われた女性の印象はなぜ好転したのか】

camilla charles youngイギリス王室

ダイアナ元妃をめた「意地悪な女」として糾弾され続けてきたカミラ夫人。しかし、年月が経つとともに彼女への見方は徐々に変わってくることになります。

ふたりの仲を引き裂いた「悪女」だとされたカミラ夫人が一転、なぜ国民の支持を得ることができるようになったのかをみていきたいとおもいます。

この記事のポイント
  • 皇太子とダイアナの仲を引き裂いたとして糾弾され続けたカミラ夫人
  • しかし実際、ダイアナ元妃の死後に皇太子一家を支えたのは夫人でもあった
  • 長い間、皇太子を支え続けた愛が「一途な愛」として好意的に受け入れられた 
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皇太子の結婚

これは語るにも、悲しい悲劇でしたね。チャールズ皇太子の気持ちを無視して、王室やマスコミは突如として現れた理想的な令嬢「ダイアナ・スペンサー」を歓迎ことはとんとん拍子に進み、まもなくしてふたりの婚約が発表されました。

それでも、81年7月、チャールズ皇太子はカミラ夫人との関係に終止符を打つことに同意していたといいます。カミラ夫人も、皇太子との「友情」を切る気はなくとも、彼が幸せになることを心から望んでいたのです。

結婚して尚大きくなったその存在

しかし、ダイアナ妃とチャールズの間にはすぐに亀裂が入りました。12歳下の妻の冷静を欠いた行動に皇太子は混乱し、わかってもらえない妻ダイアナもまた夫に不満を持ち始めていたのです。

(右:カミラ夫人 左:ダイアナ妃)

時が経つにつれて、カミラ夫人は皇太子の相談相手となり、何でも打ち明けられる友達となり、自分を支えてくれる存在としてどんどん大きくなっていったのです。

結果、紆余曲折あり、皇太子とダイアナ妃とは離婚。まったくの偶然ではありましたが、元妃となったダイアナは新しい恋人ドディと交通事故にあい、若くして命を落とすことになりました。そして、カミラ夫人も浮気ばかりの夫アンドリューとは、1995年に離婚するに至りました。

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公になったふたりの関係

チャールズ皇太子とカミラ夫人の関係が、はれて公けになったのは1999年のことでした。カミラ夫人は、皇太子と再婚してことをややこしくするよりは、王位継承者の交際相手であり、良き理解者でありたいと望んだそうです。

彼女は実際、持ち前の気遣いをもって、ふたりの王子たちとも上手に距離を取り、長年かけて良好な関係を築いてきました。

それはヘンリー王子が本で語った、

彼女は僕たちにとても親切だった

とても意地悪な継母なんかじゃない

といった言葉にもみてとれますね。

次第に変わった周りの見方

王子たちが時々口にしたように、世論の大半は、カミラ夫人を糾弾し続けていました

しかし実際は、落胆したチャールズ皇太子を支え、王子たちとも上手に距離をとり、めちゃくちゃになった皇太子一家を建て直そうと努めていたのはカミラ夫人だったという見方もあります。

90年代後半に、デイリーミラー紙は、こう述べました。

これほどの素晴らしい品位を持つ女性を憎むことは、もうやめるべきではないでしょうか

99年には、アンケート(※) に答えた国民の過半数が、ダイアナ元妃の死後のカミラ夫人に対して好意的な見方をしていることが明らかとなったのです。(※) サン紙が行なった世論調査

つまり国民は、この密かな「変わらない愛」に対して、批判するだけでなく、寛大な気持ちを持ち始めることになったのです。

家族を思って

時が解決してくれたものもあったのでしょうが、これにより国民の見方も変わっていくことになりました。またそんな中でも、カミラ夫人は言い訳をせず「家族や近しい人たち」に必要とされていることを行なっていったのです。

カミラ夫人の子供と、チャールズ皇太子の子供 (王子) たちも「共通の過去」をもつ者同士として時に共感し、程よい関係を築くようになっていったのです。実際、カミラ夫人は、ウィリアム王子の伴侶であるキャサリン妃とも、実娘サラといっしょにお茶をするなど良い関係を築いているそうです。

30数年越しに結ばれて

(チャールズ皇太子とカミラ夫人)

カミラ夫人と皇太子の変わらない愛に、好意的なコメントも寄せられることが増えていったのです。ふたりが結婚したのは2005年4月9日、チャールズ王太子とカミラ夫人は出会いから30数年の時を経てのことでありました。

そして2022年、在位70年を迎えたエリザベス女王もまた、将来、長男であるチャールズ皇太子が国王に即位する際には、「カミラ夫人が王妃として知られることを心から願う」と述べました。女王が、王族の将来の称号に直接言及するのは異例のことでありました。

歳や経験を重ねているのもありますが、ダイアナ妃とは違い、カミラ夫人は悪目立ちすることもなく、ささやかに皇太子を支え続けている、そんな姿をみてのことだったのかもしれません。

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まとめ

王室人とはいえ人間ですから、うまくばかりはいかないこともありますよね。

君主 (エドワード7世) の愛人としての人生を貫き通した、カミラ夫人の曽祖母アリス・ケッペル。(この時代、王室内でそもそも離婚なんてものは考えられなかったのですが)。一方自分で終止符を打ち、新しい人生を歩むことを決めたチャールズ皇太子とダイアナ元妃。

そして、ときに糾弾されながらも、「友愛」を貫き、皇太子を支え続けたカミラ夫人本当に人それぞれ色々な生き方があって良いのですが、人生は本当にわからないということを真に感じさせるストーリーなのでありました。(尚、ふたりの馴れ初めについてはこちらの記事【カミラ夫人とチャールズ皇太子の馴れ初め】女王も認めた将来のイギリス王妃 にまとめております。

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管理人

歴史オタクの英日翻訳者。

スペインの児童書「ベラスケスと十字の謎 」に魅了され、世界史に夢中に。読み漁った文献は国内外あわせて100書以上。史実をもとに、絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

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