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コラそこの上司、英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

2020/02/01
 
英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ
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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。ダーリンはアメリカ人、ゆるゆる仲良くやっています。

 

まず言葉が荒れましたことをお詫びいたします。でもですね、仕事をしていて困るのが「英語ができれば何でも訳せるでしょ」という無茶振りそして一部でも聞き取れなかったら「え?なんでわかんないの?」と言ったがっかり顔あの、すみません、私たち「なんでもできるサイボーグ」じゃないんです。ぜひ完璧や直訳を求める方は、ポケトークを使って会議をしてください。そうすれば「着地に持っていくために、意図を違う言語で丁寧に、的確に伝えるのがどれだけ大切か、大変か」が少しでもわかっていただけるんではないかとおもいます。今日は多少愚痴になりますが、(自分の実力の至らなさを棚に置いて)通訳・翻訳をしていて感じる「憤り」を記事にしたいとおもいます。

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 「データの扱いが難しい」を通訳してくれ

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

こないだ臨時で参加した会議で、役員からいわれた一言です。事前情報がなかったので、一瞬で頭の中に「なにが、何に対して、どう難しいのか」という、サーチエンジンが動き出しました。そしてもう少し具体的に、といったら、「そんな暇はない、早く言え」と。そのため、どうとでも取れるよう無難に、

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよIts tough to handle these data

と訳しました。そしたらなんとその役員さん、「はぁ?」と首を横に振って思いっきりため息、机を叩いてタバコを吸い出す始末

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

ただ冷静に整理するとですね、データの扱いの取り扱いが難しいといっても、

  • データが複雑なので、(人)が取り扱うのは難しいのか、
  • データが高度なので、専門家でないと取り扱えないから難しい、のか
  • そもそも解析装置がないから、データの解析が不可能に近い

かでニュアンスが全然変わってくるんですよ。

後ほど背景をきいたら、いちばん近しいのは

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよHandling xx data requires expertise. (xxデータの取り扱いには、専門知識が必要です)

というニュアンスの「難しい」だったようです。最初にもっと食い入るように背景を聞いておくべきだったと思うとともに「いや、知らんし、てか言ってくれよ」と半ギレで家に帰りました

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

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 理解するな、俺の言ったことをそのまま訳せ、という無茶振り

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

同時通訳さんやエキスパートの方でしたら、聞いただけで、横から訳していくこともできるのかもしれません。しかし自分の場合は、「概念図」のようなイメージを自分のなかに取り込んで、それを即興で他の言葉に変換するというやり方をしています。なので、「理解せずに訳せ」というのは、本当に「できない」んです。

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

どう訳しても「はあ、そうじゃない」と怒りの声が飛んでくる、これほど集中力を削ぐものはありませんそもそも自分の畑 (専門分野) でない部分は、同じ言語であっても、どんなにベストを尽くそうとも、仕組みを理解するのに時間がかかるのです。

 

どういうことか

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

例をだしますと、A社と協業を見据えた会議」があったとします。「A社がAというスキルをもっていて、うちにはBというスキルがある。これらを組み合わせたら、Cという最強の武器ができるよね」という会議です。でもですねそこにいきなり、超ディープな話しがでてくることがあるんです。超極端な例をだすとすると、たとえば、

  • 火星と月の関係
  • 火星の微生物が月によってどう影響を受けるか

といったお話しです。そもそも一般人には「火星に微生物がいるか」もわからないわけですよ。そもそもいるかわからないのに、更にそれらが「月にどう影響されるか」なんてもっとわからないわけですよ。もっといったら、火星と月なんて単語くらいしか知らないわけですよ。

 

そもそも知らないものは、訳せない

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

先ほどの(極端な例でいいますと)、

  • 火星には微生物がいるか、いないか
  • どんな影響をうけるのか (考えられるのか)
  • そもそもなんでその話をするのか

といった前提条件がないと、マジでまったくわからないんですよ、ほんとに付け焼き刃です。

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リスニング満点でも、聞き取れないことはあるぞ

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

あと、「なんで聞き取れないんですか」という言葉も結構グサっときます。専門分野でないなかで、ただでさえ物事を理解しながら聞いていて、知らない単語もあれど、前後で埋めたり、相手と会話しながら確かめていく。でもですね、明らかにテレビ会議(モニターなし)って、物理的にブツ切れになるし、ノイズもはいってくるんですよ。(それに相手の顔も口の動きも見えないから、頼りは自分の耳だけ)

TOEICリスニングは満点です、まぐれでもなくいっている内容も全部わかります (だってTOEIC会場は静かですし、音声もクリアですし、他の人の声もかぶってきませんから) 。でもそれでも「こうなる」ってことは、もっともっと現場経験だったり、適応力だったり、専門知識だったり付加価値をつけていかないといけないんだろうなともおもうのです。(数字で測れなくなった今としては、ほんとに孤独の戦いです)

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なぜわからないのか、わかってもらえないって辛い

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

自分の場合フィアンセがアメリカ人なので、普段の会話は英語ですし、同僚もグローバルで、仕事のなかで触れている資料も音源も圧倒的に英語が多いです。「それでも聞き取れない」んですよ。最初は自分がまだまだなのかな、と思っていましたが、なんか違う。そもそもブツ切れの日本語の会議だって、回線つなぎ直したりするでしょうし、さっきいった火星の話しだって日本語だったってわからないんです。(すごい自分を棚にあげますけど)、いちばん困るのって、「その大変さ」がわかるのが自分だけだということなんじゃないかとおもいます。

 

仲間がいるほど、心強いことってない

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

たとえば隣の部に「英語を話せる人がほしい」と貸し出された場合とかですね、「この子は話せるけど、自分たちは英語わからないから」と全てが丸投げになることもあります。「いやいやいや、話せたってわたしもわからないよ」ってことがよくあるんです。シンガポール人の同僚、韓国人の同僚と一緒に通訳にはいってたころには、「どういうことかわからない」ときは、ふたりしてキョトンとしているので、説得力があっがあったのでしょう。いささかプレッシャーも少なかった気がします。2人とも辞めてしまったいまとなっては「責任を背中にどっしり背負い込み」「自分ができるベスト」を尽くすしかないんです。

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だから通訳学校が必要なのか

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

ちなみにですね、だから「通訳学校」なるものがあるのかとも思いました。社内通訳に従事したときには、「独学でなれるもんだな」って思っていましたけど、やはり限界があり、イロハや先輩方の経験談やスキル、技などを直接学ぶって本当に大切なんだとやっていくほどに思うのです。 ただ(学校でなくても、本でも、テレビでも、媒体はなんでもいいのかなともおもいますが)

普段自分の両親と彼の間で常に通訳にはいっている身としては、「(英語と)通訳の仕方を練習する」ために結構な学費を払う、というのは「なんかちがう」ともおもうのです。(し、フィアンセとしてもなんでそこにお金使うの?君充分はなせてるのに、なんでなんで?と思うらしい)。

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

優秀な通訳 (優等生通訳)」の道を否定するということは、やはり自分なりの道を切り開いていかないといけないなともおもっています。(それもそれで前例がないので、しんどかったりするし、同時通訳者の凄さには感心するばかり..)

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まとめと、つまりなにがいいたいかって

英語が話せるからって何でもできるなって思うなよ

  • 通訳って分かり合える人がいないので、孤独な仕事
  • いくら下準備をしても、見られるのは現場の数十分だけ
  • スーパーサイヤ人だと思われがちだけど、普通の人間
  • 毎日勉強しても不足を感じる

ということでした。カルロス・ゴーン被告の記者会見では、アラビア語通訳・フランス語通訳・英日通訳として、同時通訳者さんたちがものすごい活躍をみせていました。視聴者は「記者会見の間」しかみていませんが、あれもすごい長い練習 (と準備) の繰り返しの上にあるのだとおもいます。わたし、まだまだだな、そして通訳として活躍している皆さんを尊敬するばかり….。とおもうと同時に、「英語が話せる=英語を用いて話す人の言葉」が全部魔法のように理解できるわけではない、ということを知っていただけると嬉しいなと思うのでした。(もし仮に下準備なしにそんなことができる人がいたら相当の天才か、相当の経験を積んだ努力家か、生粋のバイリンガルでコンサルタントを併任しているか..) とにかくそのひとが”とてつもなくすごくて、希少な人”だということを思い出していただけるととても嬉しいです。

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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。ダーリンはアメリカ人、ゆるゆる仲良くやっています。

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