【副業に翻訳】をオススメしない3つの理由

はじめまして、通訳・翻訳のNaa(@GogakuKimamani)です。「翻訳って在宅で出来るし、副業にいいんじゃない?」わたしも以前はそう思っていました。ただ会社員との平行して、「翻訳を副業にする」ってなかなか大変なのです。何がどんな風に大変なのか、今日はフリー(在宅翻訳)のリアルをお伝え します。
スポンサーリンク
Contents
理由1 料金のわりに、時間と労力がかかる
意外にとられる、翻訳の時間
副業ですから、平日の夜を翻訳にあてるとしても、処理できるのは1日500英単語くらいでしょう。どのくらいの量かというと、A4の原稿用紙に10.5サイズの文字をびっしり敷き詰めたくらい。
情報がほぼないところから翻訳を始めますので、情報収拾・原文の意図・知識を集める時間も必要になってきます。期限内に下調べから、意味取り、下訳、見直しまでしなければならず、全体的にみると、結構な労力がかかっていることがわかります。南極関係の翻訳をしていたときは、まず地理から、専門用語から、入国法から全くわからなかったので、イチから調べて物凄い時間がかかりました。
翻訳初心者の報酬は、そこまで高くない
報酬は素人翻訳だと、1ワードあたり5~10円なので、A4ペーパー1枚で2,500円〜5,000くらいの計算になりますね。始めたての頃は実績がないので買い叩かれ、1ワード3円以下で遠くを見ながらひたすら翻訳していた時期もありました。
ちなみにプロになると、精度もスピードもそもそも違うので、だんだん高くなり、報酬は高くなっていきます。
注) 私は依頼元と交渉して、利用規約25枚を1セットとして◯万円とすることが多いです。報酬形態は、こうという決まりはなくあくまで目安値として参考にしてください。
理由2 翻訳の仕事は、副業にするには負担が大きすぎる!
「それなりの精度」を出すには神経を使う
時間も程度余裕を見ることもできる割に、高額な在宅ワークとして知られる翻訳ですが、仕事として取り組むからには、精度も問われます。
- 英文・日本文を正確に読み解く力
- 事象を三次元的に概念的に捉え、言葉としてアウトプットする力
を存分に活かしつつ、精度の高い成果物をクライアントに提出しなくてはなりません。そのためには、ミスやがないか、文章が自然かなど幾度もの確認が必要となります。訳し終わって「ハイ、終わり!」ではないのですね。ここが時間がかかり、結構な神経を使います。英語ができるから、「簡単にできるだろう」という軽いものではないのです。
お金を得るために、副業したのに、結局会社を休むハメに
これは個人差があるかもしれませんが、会社の仕事を休んで、フリーの仕事を優先することもありました。「期限内に終わるだろう」とおもっていた極地旅行の利用規約翻訳が、見事にわからない用語ばっかりで終わらなかったのです。しかも翻訳は基本日本未着の情報ばかりなので、日本語でGoogle検索しても情報が載っていないのです。ヒントや情報を得るためには、現地のサイトを英語でサーフィンするしかありません。
お金を増やそうと副業を選択したのに、結局会社を休む、というのは本末転倒です。また土日にやりすぎて、月曜日の仕事はなんとかたどり着いたものの、抜け殻になったこともありました。
理由3 結局給料の良い会社に就職したほうがラクだし、稼げる
会社員とフリーランス翻訳の二足のわらじを続けて、結局「あれこれ手を出すより、ひとつに集中してエネルギーを注いだほうが、結果的に収入にもなる」という結論にたどり着きました。
事業体ひとつひとつに個性がありますし、業界によって使う言葉も慣習も全く変わってきます。「あっち」「こっち」と頭を使い分けるって、思うよりエネルギーを消費するんですね。翻訳を生業としたい人は、おそらく「頭を使って稼ぎたい」と思う方なので、あえて限られたエネルギーの使い方に注目してほしいなとおもいます。
まとめ
というわけで、今日は翻訳を副業とした場合のリアルをお伝えしました。
- はじめたての翻訳者の報酬は5円~10円/英単語あたり
- 意外に時間と労力がかかるし、それなりの成果物を出すには神経を使う
- 自己管理ができないと、結局二束三文になる場合も
プロの方も、時間をうまく使いこなしている方もいらっしゃるので、全ての人にあてはまるわけではありません。し、副業で翻訳ができて、よい稼ぎになるならそれはとても良いことだと思います。あくまで翻訳の実情として、参考にしてみてくださいね。
この記事を読んだ人へオススメの記事
スポンサーリンク