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【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

2020/03/20
 
【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか
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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。ダーリンはアメリカ人、ゆるゆる仲良くやっています。

なぜそんなに酷いことをいえるのだろう。生きていると色々な目にあうことがありますよね。そして気づかぬうちに自分も他人を傷つけていることもきっとあるのでしょう。

でも他人を傷つけることには罪悪感、不安、動揺といった代償が伴うもの、人間は社会的な動物ですから、人を傷つけることは、自分を傷つけることでもあるのです。人が他人を傷つける心理的メカニズムと、心穏やかでいるための対策をご紹介します。

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人を傷つけても平気な人の心理的メカニズム3

① 道徳的に正当化するので、罪悪感を感じない

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

たとえば戦争だったり差別だったり、人を(物理的に、また心理的に) 傷つけたとしても、それがどんなに残酷だったとしても、「国を守るため」「(自分の) 正義を貫くため」といった道徳的な理由を持ち出すと罪悪感や、社会的な批判は少なくなります。

わかりやすい例を出すと、空爆やテロ、虐殺などの軍事行動、もう少し範囲を狭めると会社や学校での悪口もそうですね全く反省の色がみえないひとは「あいつが悪いのだ、俺が正しい」という自分の正義 (という思い込み)を信じているために、どんな酷いことをしても罪悪感を感じにくい (そもそも感じない) のかもしれません。

 

② 解釈を自分に都合よく捻じ曲げるので、罪の意識がない

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

むずかしい状況や、モヤモヤする気持ちをおさえるために、人はたびたび「事実を婉曲 (えんきょく) させることがあります。「あいつが俺を不快な気分にしたから」「あの子がちゃんとできてないから」「常識を守らないから」と自分のなかで筋がとおるように、ストーリーを作り直してしまうのですね。以下は、軍で使われていた解釈婉曲化の例です。

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか兵士は人を殺さない、ただ人を「人を失う」ことはある
爆弾は殺人兵器ではない、垂直に広がる「対人装置」である
ライフルによる攻撃は 「純粋に、悪い人をやっつけるため」と見なされる。
自分の部下を殺すことは、友好的な火と呼ばれる

やっていることは大量殺人でもあっても、解釈次第でいかようにもなるのですね。そしてそれは、「道徳的な障害 、やってはいけないと思う心」をも変えてしまうのです。

 

③ 人にやらされているから、という責任逃れ

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

例えば軍の命令だったり、クラスのボスがいうことだったり。そういった命令に従ってだれかを傷つけたとしても、「わたしじゃない、あの人がいったのだから」と罪悪感が薄れるのですね。

強制されたのだから私のせいじゃない。と思うと、ひとは平気で他者を傷つけることができるこれは次のパラグラフで説明するドイツのミルグラム実験でも証されています。「命令したのは、あのひとだ」と人は自分の行動の責任と結果を最小化したり、無視したり、歪めたりすることによって、平気でひどいこともできてしますのですね…

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人間の残酷さを露見された、ドイツのミルグラム実験

ミルグラム実験概要

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか(ミルグラム実験の被験者を募る新聞広告)

新聞広告を通じて、被験者の20歳~50歳の男性がイェール大学に集められました。あつめられた人々は『これは学習における罰の効果を測定するもの』だと教えられ、「教師」と「生徒」役にわけられて別の部屋におかれました

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

実験の概要はこうです。「教師」が出す問題に答えられなかったら、バツとして「生徒」に電流を流す。

教師は生徒が一問まちがえるごとに15ボルトずつ電圧の強さを上げていくように、という指示でした。しかし生徒役と実験進行役は両方ともサクラ実験の本質は「人間はどこまでやってしまうのか」を見極めるところにあるため、被験者は全員「教師役」に割り当てられました。各電圧の強さに応じ、あらかじめ録音された『生徒が苦痛を訴える声』がインターフォンから流されました。直接対面しているわけではなく、実験はインターフォンを通じて声だけが聞こえる、という状況で行われました。

 

うめき声が聞こえても、実験はやまず

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

被験者は全員「教師役」に割り当てられました。それ以外の実験の進行者、生徒役はサクラです。(そのサクラの) 生徒が、出された問題をまちがえると、先生役が罰として電流が流れるボタンを押します。被験者たちはあらかじめ「体験」として45ボルトの電気ショックを受け、「(罰)として生徒にあたえられる痛み」を体験しました。ちなみに痛みのとしては、こんなイメージです。

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

  • 75ボルト:不快感をつぶやく
  • 135ボルト:うめき声をあげる
  • 180ボルト:「痛くてたまらない」と叫ぶ
  • 270ボルト:苦悶の金切声を上げる
  • 300ボルト:壁を叩いて実験中止を求める
  • 315ボルト:壁を叩いて実験を降りると叫ぶ
  • 330ボル:無反応になる

 

苦しむ生徒役を相手に、人はどこまでできるのか

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

電圧をあげるにつれて段々と苦痛のアクションが大きくなっていきます。記録映像で確認できる生徒のアクションは(演技なのですが) まるで拷問を受けているかの如くの大絶、ショックを受けた途端大きくのけ反る等、ものすごくリアルな迫力であったといいます。

被験者がうめき声を聞き、生徒役が「もう無理だ、やめたい」と拒否することもありました。でもそんなときに、白衣を着た権威のある博士らしき男が、冷静にこう「教師役」に通告したのです。

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか 続行してください。この実験は、あなたに続行していただかなくてはいけません。あなたに続行していただく事が絶対に必要なのです。迷うことはありません、あなたは続けるべきです

4度目の通告がなされた後も、依然として被験者が実験の中止を希望した場合、その時点で実験は中止されました。そうでなければ、設定されていた最大ボルト数の450ボルトが3度続けて流されるまで実験は続けられたといいます。

 

実験結果 みえてきた人間の本質

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

被験者40人中26人が最大の450ボルトまでスイッチを入れました途中で実験に疑問を抱き、中には135ボルトで実験の意図自体を疑いだした人もいる一方で、電圧を付加した後「生徒」の絶叫が響き渡ると、緊張の余り引きつった笑い声を出す者いたといいます。また何人かの被験者は「お金はいらないので、中止したい」と申し出ました。

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

しかし、権威のある博士らしき男の強い進言によって、一切責任を負わない」ということを確認すると実験を継続、300ボルトに達する前に実験を中止した者は一人もいなかったのです。つまり、「自分のせいではない」という前提があれば、人間はどんなに残酷なことでもできてしまうということが証明されてしまったのでした。(ちなみにミルグラム実験の成果は賞賛されたものの、倫理的観点で批判を受けました)

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人を傷つける、悪循環を断ち切るために

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

わたしたちは人に傷つけられたときあの人はなんてわがままで、思いやりがないのだろうと怒ります。そして私たちはまた「なぜこんな目にあわなければいけないのだろう」「なぜあの人はそんなことをするのだろう。なぜ私に対して?と自問します。

 

傷ついた人は、人を傷つけたくなる

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

サンドラ・ウィルソン博士は、著書『Hurt People Hurt People (傷ついた人は、人を傷つける) 』のなかで、『地球上の誰もが、傷つき傷つけられることはもはや避けられない』と言及しています。原因は愛情不足であったり、自尊心の激しい損傷だったり、人によるのですが、

  • 痛みを持ったままの大人が、
  • その自分に対する無価値観をなんとかするために
  • 自己防衛として他人を攻撃することがある、

ということがあるそうです。

 

では、どうすればいいのか

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

いちばんの良策としては「深入りしないこと」です。「そんなこともあったなあ」「傷ついた自分がいるなあと俯瞰して、理不尽なことは引きずらずさっさと忘れてしまうこと。

相手も人間ですから、機嫌が悪いときもあれば良い時もあります。でもそれに合わせて自分の気分が浮き沈みするのでは、とても疲れてしまいますよね。相手の言動や行動をコントロールすることはわたしたちにはできないのですから。

ポイント

もし傷ついたとき、いちばんしてはいけないことは「なぜだろう」と自分を責めることです。そして自問自答すること、相手に怒りをぶつけることもメンタル面に悪影響を及ぼすといわれています。 考え続けるのではなく、「まったくとんでもないやつだな」と心の中でつぶやいて、さっさと忘れてしまいましょう(大切なことなので二度言いました)

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まとめ

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

というわけで、人をわざと傷つける人の心理

  • ①道徳的に正当化するので、罪悪感を感じていない
  • ②自分が正しいという思い込み、悪いことをしていると思っていない
  • ③「誰かにさせられている」という被害者意識で、酷いことをしているという感覚がない

でした。対策としては、

  • 人の言動に振り回されないこと
  • そのためには、そのことに執着せず、
  • 理不尽なことはさっさと忘れてしまうこと

 

あとがきにかえて

【わざと傷つける人の心理】なぜときに人は残酷なことをするのか

忘れること=許すことだという言葉がありますが、本当にその通りだと思うのです。ひとは嫌なことをおもいだすだけでも、脳内のストレスホルモンが活性化するそうです。

また許せないという思いを抱えていると自分もいざというとき、同じことをやりかねませんそれに「イラーッ」という気持ちをどこかで吐き出したら、反応せず平然としているのが (相手に取っても結局)一番の復習ともなりそうです。それにしても人生は色々なことがありますよね。いやなことがありましたら、ぜひ思い出してみてください。この記事が、少しだけでも気持ちがラクになるお手伝いができれば幸いでございます。

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この記事を書くために参考にさせていただいたサイト、心理学者の見解

  • https://medium.com/personal-growth/hurt-people-hurt-people-64b900b4b382
  • https://reflectd.co/2013/03/14/psychology-of-evilness/
  • https://www.aifc.com.au/vicious-cycle-people-hurting-others/
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Milgram_experiment

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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。ダーリンはアメリカ人、ゆるゆる仲良くやっています。

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