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翻訳者に求められる力3つを徹底解説

2019/03/29
 
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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち、英会話スクールの公式カウンセラーを併任。

 

はじめまして、通訳・翻訳のNaa(@GogakuKimamani)です。英語学習者にとっての、花形でもある通訳・翻訳という職業。ちょっと今日は趣向を変えて、「翻訳」という仕事の特徴、厳しさ、大変さ、楽しさに切り込んでみたいと思います。

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君の名は、の英訳に翻訳の難しさを思う

「君の名は」に英語吹き替え版(Dubbed)があるのは、ご存知でしょうか?実はアニメって吹き替え版が作成されているものが結構あって、細かなところまで英訳されているので、「この日本語を英語でどう表現するか」という点で、非常に勉強になるのです。どういうことか、例を出しますね。

 

みなさんだったら、この日本文をどう訳しますか?

 

星が降ったあの日から

それはまるで

夢の景色のように

ただひたすらに美しかった

(君の名はPVより引用)

これは、君の名はのPVで使われた言葉です。シンプルに考えると一番最後のフレーズは「It was really beautiful like a dream.」なんて訳が一瞬思い浮かびますが、それではあの言葉もでないような美しさは表現できていません。それでは、実際の英語版「Your name」の訳をみてみましょう。

 

星が降ったあの日から(Ever since that day, the day a star fell…

それはまるで(It was almost like

夢の景色のように(Like seeing something out of a dream

ただひたすらに美しかった(Nothing more or less. a breathtaking view)

(Your nameより抜粋 筆者ディクテーション 引用元: https://www.youtube.com/watch?v=VgixlvX28-g)

この英訳では、「ただひたすらに美しかった」という一文を、「Nothing more or less.それ以上でも、以下でもない」「A breathtaking view息を飲むほどの景色」と表現しています。

 

ここから見える、翻訳者に必要な力とは

「まるで夢のように美しかった」と「それ以上ないほど、息を飲むほど美しい景色」では全く受ける印象が違いませんか?圧巻の訳です。そう、翻訳者に求められるのは「英文・日本文を正確に読み解く力」と、「事象を概念的に捉える力」、そして「それを言語化して人に伝える力」です。直訳でBeautifulを使うのではなく、A breathtaking viewと表現することで、綺麗なんて言葉では言い表せない情景が見えてくる のです。

 

翻訳者が見ているのは、「物事の核」

頭に残るのって、何気ないときの、一言、二言だったりするのです。そして、それが誰かの、人生を、変えてしまうことがある。だからこそ、翻訳者は言葉に繊細になるのです。

例えば、ホテルや旅行でお客様へ出す決まり文句「Dear Highly valued customers」。直訳をすると、「とても価値のあるお客様へ」ですが、それだとやっぱり何か物足りない感じがするのです。本来の意味を伝えながら、自然な文書にするには、少しだけ捻りが必要です。結局ここで伝えたいこと(文章の核)は、敬意を込めてお客様へ文書をお届けしたい、ということです。そういうのも全てひっくるめて「Highly valued customers(大事なお客様へ)」と訳したりします。(これは決まり文句なのでいささかおおげさですが、わかりやすい例として出して見ました)

 

翻訳は楽な仕事では決してない、ということを伝えたい

 

通訳と比べて、地味に聞こえる翻訳だが…

勘違いされがちなことなので先に述べておきます。私は通訳も引き受けますが、通訳と翻訳はまったく違うお仕事です。通訳で必要なのは、「前提を頭に置きながら、瞬時に、物事の核を読み取り、相手にわかりやすく伝える力」

反して翻訳は答えのないパズルを解き続けるようなもの文章を読み解いては並べ替え、背景の意図を読み取り、違う言語に組みかえそこに息を吹き込む仕事です。私も実際に携わる前は、「翻訳は自分のペースで進められる分楽なのでは」と思っていたのですが、この記事で述べてきたようにけして楽な仕事ではないのです。ありません。そして比べられるものでもありません。どちらにも違った楽しさがあり、大変さがあるのです。

 

重い翻訳が終わると、抜け殻になることも

30ページくらいの契約書(それも1ページに文字がびっしり)のものを翻訳すると、自分の中から全ての言葉と知識を絞りだすので、しばらくは抜け殻状態になります。それこそ本を読みふけって、狂ったようにインプットを続けることも。バランスを取りたいのか、他人の日本語文書が読みたくて仕方なくなるのですね。

 

それでもなぜ翻訳を続けるのか

正直文字に埋もれるこの生活が本当に好きかっていうと、なんか違う気もします。こちらの記事(好きなことをする、ことは本当に幸せなのか)にも書いたのですが、やりたいからやっているわけではないのです。「自分が好きなこと・やりたいこと」はぶれますが、「出来ること」はぶれません。妙に神経を尖らせることもなければ、いきなり嫌いになることもないのです。

契約書レベルの翻訳は難易度が高いです。続けているのは、誰にでも出来る仕事じゃないからこそ、自分がその仕事を請け負うことで誰かの助けになる、ということが嬉しいからだとおもいます。7年間色々英語関係の仕事をしてきて、一番「総合的に見て、時間的な自由度が高く、報酬が良かった」という利己的な理由もありますが(笑)

 

まとめ

というわけで、リアルな「翻訳者の仕事と実情」、いかがでしたでしょうか。

端的にまとめると、翻訳者に求められるのは

  • 英文・日本文を正確に読み解く力
  • 事象を三次元的に概念的に捉え、
  • 「言葉」としてアウトプットする力

というお話しでした。もちろんGoogle翻訳先生などのAIも、下訳としてたくさん使わせていただいていますけどね。案件によりますが、手直しは絶対全てにいれるようにしています。これを機に翻訳って面白そうだな~、わたしも英語を勉強してみようかな、という方が増えたら嬉しいな、と思います。

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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち、英会話スクールの公式カウンセラーを併任。

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