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【狂王ルートヴィヒ2世】ノイシュバンシュタイン城を建てたイケメン浪費王の末路

2021/10/13
 
ルートヴィヒ2世 (イケメン浪費王とイシュバンシュタイン城)
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歴史の中の人物像を徹底的に知りたがる世界史オタク。絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

ドイツのロマンティック街道は、中世の城壁や街並みがそっくり残された絵画のように美しい観光ルートとして知られています。なかでも、人気の城のひとつが、白く高い塔を持つノイシュヴァンシュタイン城。これはディズニーランドのシンデレラ城のモデルもなったほどに幻想的な美しさを誇っています。

このノイシュヴァンシュタイン城を築いたのが、ルートヴィヒ2世です。この記事では、音楽と美に狂い、挙げ句の果てに議会から「精神病」のレッテルをおされ謎の死を遂げたルードヴィヒ2世をご紹介します。

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ルードヴィヒ2世が狂王と呼ばれるに至るまで

美にしか興味がない王太子

ルートヴィヒ2世 (イケメン浪費王とイシュバンシュタイン城)

彼が生まれたヴィッテルスバッハ家は、バイエルンを支配したドイツの名家で、古くは神聖ローマ帝国の皇帝も輩出していました。

1864年3月、ルートヴィヒ2世が18歳で即位したとき、人々はルートヴィヒ2世を熱狂的に迎えました。その大きな理由はというと、彼の「美しさ」であったといいます。身長191センチメートル、現代的な八頭身にすっきり通った鼻筋黒く哀愁を帯びた瞳に、黒褐色の巻毛。その態度はあくまで毅然として気高く、崇高な精神を秘めていると想像させたほどでした。

ところが現実はどうかというと、ルートヴィヒ2世は政治にはほとんど関心がありませんでした当時、ヨーロッパの国王は誰もが、近隣国との間で戦争の火種を抱えていたのですが、ルートヴィヒ2世は戦争などという血生臭い話には嫌悪感しか持てなかったのです。また、当時の王なら当然であった、形式的な社交なども大嫌いで、どうしても嫌な人間と会わなくてはいけないときは、テーブルの真ん中に花をたくさん活けて相手の顔も見えない状態にしてしまうのでした。

 

最高に美しいお城、ノイシュヴァンシュタイン城の建設

リヒャルト・ワーグナー

そんなルートヴィヒ2世が好んだものといえば、「音楽」と「美」です。

まず、即位してすぐに音楽家のワーグナーを探し出して呼び出しました。そしてワーグナーの負債を肩代わりして、彼の作曲と派手な生活をパトロンとして支え続けたのです。ルートヴィヒ2世の情熱のもう一方は、お城を作ることに傾けられました。代表作のノイシュヴァンシュタイン城では、城のデザインを建築家ではなく画家にまで行わせていたといます。

ノイシュヴァンシュタイン城

このため、まるで舞台美術のように、壁画や天井のモチーフは美しく描かれ、人口の洞窟まである一方で城としてなくてはならない小聖堂や墓地がなかったり、玉座が後回しになったりとチグハグも生まれていました。城全部を使ってワーグナーの歌劇の世界を再現したかったというのですから、まさに国王の希み通りの城がそのままに作られていったのでした。

 

「精神病」を認定され幽閉、謎の死を遂げて

ルートヴィヒ2世 (イケメン浪費王とイシュバンシュタイン城)

王はほかにも城の建設を進めていましたが、次第にルードヴィヒ2世の散財に、批判が集まっていきました

そして、ファルケンシュタイン城というさらに壮大な城の建設計画が浮上した時、この散財から国を守るための動きが起こり始めます。1886年バイエルンの政府首脳らによって、ルートヴィヒ2世は、医師の診断を受けさせられました。結果、ルートヴィヒ2世は「精神病」と認定をうけ、「廃位」を宣告されてしまったのです。

当時ノイシュヴァンシュタイン城はやっと完成したばかりで、当然ルートヴィヒ2世は抵抗したのですが、結局彼は逮捕され幽閉されてしまいます。湖畔でルートヴィヒの水死体が発見されたのは、その翌日のことでした。これは「自殺」と断定されたわけですが、その真実は今も不明のままです。

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あとがきにかえて

ルートヴィヒ2世 (イケメン浪費王とイシュバンシュタイン城)

あれだけこだわり尽くしたルートヴィヒ2世が、たった120日間しか住むことができなかったノイシュバンシュタイン城。

生前ルートヴィヒ2世は、城を自分の世界の中だけに留めておきたいという思いからきた願いで、「私が死んだらこの城(ノイシュヴァンシュタイン城)を破壊せよ」と遺言していたのですが、摂政ルイトポルトは城を壊さずにむしろ地元の住民に開放したのでした。そんなノイシュヴァンシュタイン城は、昔も今も観光客を惹きつけてやみません。そして皮肉にも、現代では最大の夢を送り出すディズニーランドでもモデルとして使われているのでした。美しすぎる者、完璧すぎる物の裏には暗い影が潜んでおり、だからこそ白き城は一層輝きを増すのかもしれません。

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参考文献

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