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【ネットワークビジネス】マインドコントロール下の思考例5つ

2019/03/25
 
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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち、英会話スクールの公式カウンセラーを併任。

 

前回の記事【ネットワークビジネス】洗脳と解き方|ハマるカラクリでは、よく使われる洗脳方法について解説をしました。こちらの記事では、マインドコントロールにより起こる思考例を具体的に記述していきます。

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怖いのは、「ビジネス」ではなく、「マインドコントロール」

まず、私はネットワークビジネスの是非を論じるつもりはありません。これ自体は、連鎖販売取引と言われる立派な商形態であり、 特定商取引に関する法律により厳しく規制されているので、法律の範囲内で仕組みを利用することは本人の自由だと思うからです。

しかし、実際にネットワークビジネス会員だった人に話しを聞くと、「 ビジネスに役立つことを色々と教えてもらった」という一方で、 具体的な内容に関しては「記憶が曖昧」といった人も珍しくありません。確かにひとつひとつを見てみると、人生に有益だったり、役に立つものもあるのですが、実際に教えてもらったのは「成功者の考え方」であり、「友達を作り仲間を増やす方法」であり、自身も実際に思い出そうとするとモヤがかかったように思い出せない、といった不思議になります。

だからこそ、いま疑問に思うのはビジネスではなく、「冷静な判断が出来ない状況で、人に判断を下させる仕組み 」に対してです。自分の夢に向かうつもりが、よくわからないうちにネットワーク作りに躍起になるのはこの仕組みが節々で巧妙に配置されているがため です。ここからは、具体的にどのような思考が起きるのか、記述していきます。

 

思考例①  目の前に大きなチャンスがあるように感じる

ネットワークビジネスの組織内では、指導者に与えられた一定の方向の思考を行うようにするため、マインドコントロールなどの手法を使い、半ば強制的に思想や価値観を作り変えていく側面があります。

その手の「成功者」を取り上げたり、本やビデオ動画を活用したり、女子会や合コン、飲み会を活用したり、時に豪華な自宅に招いたりして、「その思考」を実践することが成功に直結しているかのような雰囲気を作っていくのです。

最初は怪しんでいた人も、そういうものに晒され続けると、あたかも「自分だけが特別な情報を握った 」ような感情が芽生えてきます。「これはチャンスなんだ」「今チャンスを掴まないと損をする 」そんな風に思えてくるのです。

思考例② 組織内労働を「収入につながる行為」だと思う

組織がお金をとった上で全く無駄になるような作業や行動でも、有意義で「収入につながる」行為 だと会員に信じこませ、その作業する「権利」を高い金額で売りつけている様なところもあるそうです。

「成功者と一緒にいられるから」「成功者のマインドをコピーできるから」という名目で動き、一般的に見ると不自然と思われる行動であっても、組織内では「 本に書いていないことは信用するな」「 ネットの情報は嘘ばかり」といった指導がなされたりします。

こういった不利な立場に立たされると、会員は多くの場合一般の人が敢えて買わないような凡庸な製品やサービスを 「凄いモノだ」と勘違して購入したり、普通ならば賃金が発生するべき行為に 「修行期間だから」と名前を付け、時間と労働をタダで提供したりということが起きてくるのです。ただこれは情報の取り所が偏るために、実際は信じ込んでいるのが間違っていたり古い知識であったり、正しく理解出来ていなかったりするだけで、普通の人より大変不利な立場に立たされていても、客観的事実に気付くことが出来ないがために起こることです。

 

思考例③ 「成功者」以外の発言は、雑音である

ネットワークビジネス内では「ビジネスマインド」や「成功者の価値観」という言葉を使って、普通の倫理観を持っている人はまずしないような行動をとる事を納得させようとする場合があります。

その時によく説明として使われるのが結果的に「 誰も損はしていない」「 多くの人が利益を受け取っている」といったものです。「世間が新しい考えに追いついていない」、「将来的には社会に認められて認知される」といった話しもよく耳にします。

トータルで見ると多くの人が損をしていたり、社会に対して大きな迷惑をかけていたり、冷静になって他の人の話をよく聞いたり周辺をきちんと調べればすぐにバレるような嘘でも、前述したネット規制などで「現実の評価」が目に入らないような状況を作り出されているため、参加者は「 成功していない人の意見は聞く必要がないのだ」と自分を正当化し、 運営側の言い分が最もであるように信じ込むようになっていきます。

 

思考例④ 自分の思考は「価値が低く」、成功者の意見は「価値が高い」

ネットワークビジネスの世界では「結果を出している人が言う事が正 」です。結果を出すためには、 既に成功を手にしている人にマインドを合わせていく、というスタンスが基本なので、「自分で正かどうか客観的に判断」したり、「積極的に手をあげて行動する力」というのが徐々に失われていきます。

ネットワークビジネスの拡張や運営に色々と「使える人」になっているだけなのですが、結果を出すためには「誰より行動する必要がある」(実際はネットワークビジネスに関係するものに無理をさせてでも時間を割かせるというのが目的)と指導されているので、ますます 自分で価値を客観的に評価して管理できない状態 になっていきます。

 

思考例⑤ 「ここを出る」ことは、「つまらない以前の自分」に戻ること

ネットワークビジネスの組織にはいってみると、5〜10年続けても収益が10万に達しないという人も実は多く存在します。そう言った人は「 グループリーダー」といった称号を与えられたり、時には「ビギナー指導」というような仕事を与えられ、また幹部主催の食事会やイベントなどに「特別招待」されたりするのも珍しくはありません。お手軽な手法としては、組織無いの幹部や代表などから、大勢の前で励ましの言葉を貰ったり、激励のメールや電話がかかってくる、ということもあるようです。最初は「夢」や「目標」を達成するための手段のひとつとしてネットワークビジネスが提示されたわけですが、その集団内で「成功者の思考」という「固定化された概念」に長時間漬かってしまううちに、次第に組織内で出てた仲間との関係性が壊れてしまう事が「夢」や「目標」の喪失と同一 の意味を持ち始めます。こうした精神依存の根底には「恐怖」がありますので、「今の自分は幸せで夢に向かって努力もしている」と思い込むのは現実から目を背けるためだとも言われています。

 

ネットワークビジネス従事者の97%が「収入1万円以下」

 

「そのポジティブシンキングはいますぐやめなさい あおたけふみ著を参考に筆者作成)

消費者生活センター職員が発表しているネットワークビジネスの手数料報酬内訳統計によると、実に 参加者の約94,69%の報酬が0円だという結果が出ています。なかには隅々売り上げが良かった月など、もっと多く稼げた月がある人もいるかもしれませんが、統計を見るとこうした形になっているそうです。さらに手数料が発生している人でも1万円以下の報酬の人の割合は2.97%です。1万円以上の報酬を受け取っているのが僅か3%であることを考えると、残りの97%の中にいる「他の人に売ろうとしても思っていたように売れなかった」人の数は無視出来ない大きさになるだろうことは予測できます。

月収100万円も夢ではない」といった言葉がよく出てくるのですが、統計から見ると月に100万円以上を稼ぐ人の割合は0.4% に過ぎず、 単数字だけを考えれば 1万人に4人です。このクラスの人は運営側が多くを占めるでしょうから、一般参加者がネットワークビジネスで大金持ちになるというのは数値的にも難しいことが見えてきます。活動時間を割くため派遣社員になる人もいるので、まさに人生をかけたギャンブル と言えるかもしれません。

 

おわりに

 

重ねて言いますが、怖いのは「ネットワークビジネス」ではなく、指導のなかにある「インドコントロール」です。もっと言うならば、その効果を利用し 良心の呵責なく巧みに操る人の怖さです。

「成功者にマインドをあわせる」というのは、端的に述べると、 指導者に与えられた思想や価値観を自分の脳に上塗りしていく、ことです。「経済的自由 」と「時間」が欲しくないか、と周りに投げかけながら、自分が誰より忙しい日々を過ごすうちに、「冷静な判断が出来ない状況で、決断を下す回数」が増え、麻痺していく。その危険さを認識できる場所があまりにも少ないと思い、この記事を書きました。

最近はセミナーが各地で開かれている為に、軽い気持ちで参加してしまう人も多いのが現状です。思い切って踏み出すことを「チャレンジ」と捉える人がいますが、勇敢なことと、軽率なことは違うのです。決して、新たな世界へ踏み出すことが全てではありません。忙しない世の中ですが、だからこそ若い人には、意識して心のゆとりを持ち、大切な決断にこそ時間をかけてほしいなとおもいます。

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備忘

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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち、英会話スクールの公式カウンセラーを併任。

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