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【韓国映画パラサイト】にみえた超高学歴、競争社会の深すぎる闇

2021/01/08
 
半地下
この記事を書いている人 - WRITER -
謎の女性。歴史の中の人物像を徹底的に知りたがる世界史オタク。絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

最近ネットフリックスにもアップされた映画の「パラサイト」 。深刻化する韓国の社会格差を浮き彫りにしたこの映画は、韓国の裕福な朴(パク)家とスラム街に住む貧しい金(キム)家の2家族の物語であり、アジア第4位の経済大国で深まる不平等が反映されています。一体韓国で何が起きているのか、格差社会の闇にふれていきたいとおもいます。

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韓国の現代社会に対する鋭い批判

パラサイト (半地下家族)

『パラサイト』は映画はオスカーで最優秀作品賞を受賞した最初のアジア映画になり、韓国のソーシャルメディアを沸かせました。この映画は「金のスプーン」とは対照的に、まともに家を所有したり、社会での出世ばしごを登るのを諦めた低所得層に深く響きました。

他国にも格差はあるわけですが、韓国では近年、住宅価格の高騰と経済の停滞が国民を苦しめており、それに比例して文在寅大統領の支持も弱まっています。ちなみに大統領は「韓国ならではのストーリーで世界中の人々の心を動かした」と言葉を残しています。映画にこめられたメッセージは韓国の現代社会に対する鋭い批判であり、ボン・ジュンホ監督はソウル周辺の見慣れたシーンを描きソウルの貧富の差を強調しました。

 

レンガ造りのスラム街、煌びやかな高級住宅街

パラサイト (半地下家族)

韓国全土では崩壊しつつあるレンガ造りのスラム街は、ソウルの煌びやかな高級住宅街と対照的であり忠実に描かれています。この映画ではこうした視覚的な手掛かりの多くを利用して、社会で起きている競争や、時には貧富の間の 「パラサイト」な関係を説明しています。

ちなみに「Parasite (パラサイト)」は、寄生的な存在、やどりぎといった何か他の者をあてにして存在するモノを意味する英単語です。ソウルに住むキム・チャンファンさん (35) は、「映画では金持ちと貧乏人が対比されており、社会の痛いところをついた」と語りました。

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韓国に広まる圧倒的な貧富の差

Counterfeit document

韓国の格差は、英国やラトビアと同様に、経済協力開発機構(OECD)の多くの加盟国よりも高く近年悪化を続けています。それでも、OECDによれば、所得が人口全体にどの程度均等に分配されているかを示す一般的に使用されるジニ係数は、米国などの場所よりも優れているそうです。しかし、1950-53年の朝鮮戦争からの回復を後押しした長年の経済成長の後、韓国経済の将来はより不確実になり、多くの人々の懸念が高まっています。

rich and poor

政府系の韓国保健社会問題研究所による2019年の調査では、回答者の85%以上が、「社会に非常に大きな所得格差があり、成功するためには裕福な家族の出身である必要がある」と感じていることがわかりました。競争の激しい教育制度と雇用市場の中で、若者は特に悲観的になっています。

 

学歴があっても上にいけない、超競争社会

パラサイト (半地下家族)

「パラサイト (Parasite) 」 の主人公は何度浪人しても大学への試験に挑み続けています。な中友達からもらった『金持ちパク家で家庭教師』の座を得るために、大学の証書を偽造しているシーンも描かれています。このシーンは韓国人に、趙国法務部長官の辞任につながった現在進行中のスキャンダルを思い出せました

チョ容疑者は昨年12月に退職した後、家族投資関連の書類を偽造し、子供たちの大学進学をねらった疑いで起訴されました。このスキャンダルは衝撃的なもので、韓国では、若者が学校や大学で激しい競争を余儀なくされており、組織的で不公正に悩まされるエリート寄りのシステムの中で多くの国民が 停滞している雇用市場の職の奪い合い” を再度実感しといいます。政府と企業の腐敗清算を掲げて大統領に就任した文代表を支持した若者たちにとっては、失望となる事件でした。

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あとがきにかえて

パラサイト (考察と感想まとめ)(参考:【パラサイト半地下の家族 あらすじと見所まとめ】炙り出された格差社会の闇)

半地下家族として描かれているのは、

  • 一定以上の資質を持ちながらも職がなく学歴さえも得られない2人の子供たち
  • 人生を半ば諦めかけヤケになる母親 (金持ちだったら私も優しいと言いのける)
  • 不正や卑怯なことも平気でやってのける何処か社会に愛想を尽かした父親

です。恐らく両親も普通な人で、社会が穏やかであれば普通にはたらき、普通に生活をしていけたのでしょうが、「学歴があってもコネがないと就職すらできない」という異常な環境の中で感覚がねじ曲がり、期待するのをやめ卑屈になり、そんな日々を重ねるうちに八方塞がりになってしまったのでしょう。

「希望」が心の灯火だとすれば、「絶望」は暗闇を引き寄せる霧。「頑張っても報われない」生活に飽き飽きした両親の姿と、まだ何とかなるのではないかと期待する息子 (主人公) を見比べてみるとまた新たな発見があるかもしれません。パラサイトは多くの人に韓国の闇をわかりやすく伝える、良い映画だったとおもいます。

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参考文献

https://www.reuters.com/article/us-awards-oscars-southkorea-inequality-idUSKBN20414L

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