【愛さずにいられない】狂気の天才、フィンセントファンゴッホの生涯

フィンセント・ファン・ゴッホの衝撃的な絵のひとつに『カラスのいる麦畑』と呼ばれるものがあります。麦刈りは聖書においてしばしば人の死の象徴とされ、ゴッホ自身も死のイメージとして好んで麦畑の主題を描きました。画中の黒い鳥がカラスだったとすれば『不吉な死』を表した絵と解釈され、非業の死を遂げたゴッホ自身のイメージに相応しい主題としても知られています。
現代においても、この絵は展覧会や画集などでは最後におかれており、「厳密には絶筆ではないが」と断った上で「画家の制作活動を締めくくるものとして相応しい」などと結ばれることもあります。今日はそんな、ゴッホをより知るための5つの逸話をご紹介します。
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Contents
ゴッホをもっと知るための5つのこと
あっという間に絵を描いた、天才ゴッホ
世界には多く芸術家がいます。自分の作品に時間をかける人もいれば、世界に入り込みあっという間に完成させる人もいます。ゴッホは後者であり、比較的短期間で絵を完成させることができました。その理由の一つは、彼の絵が信じられないほど抽象的だったからだと考えられてきました。また、彼は思うがままに絵を描いたため、作品を深く考えていなかったとも言われています。
弟テオは彼の最大の支援者だった
弟テオは、家族として兄ゴッホを精神的にも金銭的にも支えていました。またそれだけでなく、ゴッホの絵に関しては、最大の支援者のひとりであり続けました。事実、テオがなければ、アーティストのヴィンセントファンゴッホについては知らなかったかもしれません。テオはゴッホが死を迎えるまで経済的に支援しただけでなく、ゴッホをうつ病やその他の精神疾患といった苦しみから救うために、彼に絵を描き始めるよう説得したのもテオでした。
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ゴッホの家系に受け継がれた精神病
フィンセント・ファン・ゴッホが様々な精神疾患で苦しんでいたことは現代では有名なことです。しかしさらに研究が重ねられた結果、ゴッホ家の中では精神病を患う人が多く、一家のなかで精神病を患ったのはフィンセント・ファン・ゴッホだけではないことが歴史家によって明らかになりました。実のところ、彼の兄弟や両親の何人かは、自分自身の精神疾患と闘っていました。ただゴッホは神経が鋭敏だったため、他の家族よりも精神病の治療に苦労したといわれています。
彼はこの時代における、セルフィー王だった
フィンセント・ファン・ゴッホの最も有名な作品の一つは、モーリス・ヴェルトハイムが12,000ポンドで購入した『ゴッホ自身の肖像画』です。この肖像画はゴッホの長円形の頭蓋骨だけでなく、彼の時代背景としては非常に珍しいヒスイの背景でも有名になりました。この肖像画は 、ポール・ゴーギャンに捧げられた自画像 としても知られ、1888年に完成しました。2人の間には溝がありましたが、連絡は取り合っていました。実際、ゴッホが亡くなった後も、ゴーギャンはその肖像画を、お金が必要になった1897年まで保管していました。
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彼は精神病院で、最も有名な絵を完成させました
ゴッホは1889年5月、セントレミ・ド・プロヴァンスの精神病院に入院しました。ベッドでは絵を描くことができませんでしたが、「絵を描くことことがゴッホのためにもいい」という先生の勧めもあり、代わりに絵を描くための部屋を与えられました。あの『星月夜』が描かれたのは、精神病院に入院中のことだったのです。ゴッホは夜空を眺めながら星月夜を描き、翌日には完成させてしまったのです。今日、多くの人がゴッホがどのようにしてこの絵を描いたのか、あれこれ空想を巡らせています。幻覚が原因だと言う人もいれば、窓の外の景色だと考える人もいます。
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さいごに
『星月夜』 がゴッホの代表作になったにもかかわらず、彼はその作品に恐怖を感じたといいます。理由こそ不明ですが、彼が他人と共有したり、展覧会に出品した絵と一緒には保管することはなかったそうです。実際、ゴッホはこの絵について「私は1年中、自然を敬遠してきました…それでも、もう一度、大きすぎる星に手を伸ばしてみたのです。新たな失敗です…」と書いています。
星月夜は私も大好きな作品のひとつです。そして、精神病院にいるなかで、どうしてこんな穏やかな絵が描けたのかも不思議でならないのです。精神を病み苦しんでいても、心のどこかに純粋で綺麗なものを持ち続けていたから、ゴッホは晩年にあたたかい絵をたくさん残したのかもしれません。
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