【天は赤い河のほとりとヒッタイト帝国】地図で見る、歴史に消えた幻の国

現代物で見る歴史

1,800万部を売上げ、大人気となったコミック「天は赤い河のほとり」。 現代の日本に暮らす少女ユーリが、古代オリエントの強国・ヒッタイトにタイムスリップしたことから始まる古代史ロマンです

生きるための糧となるストーリーがつまっていて、実際の歴史とファンタジーが織り交ぜられているのが何よおりおもしろく勉強になるのです。この記事では、その舞台となったヒッタイト帝国についてご紹介します。

天は赤い河のほとり【秘された製鉄の起源 ヒッタイト帝国とは】(画像引用元:https://bookmeter.com/books/518955)

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ヒッタイト帝国とは

天は赤い河のほとり【秘された製鉄の起源 ヒッタイト帝国とは】

ヒッタイト帝国は、紀元前15世紀ごろアナストリア半島に存在した王国です。高度な技術をもち繁栄を極めたヒッタイト帝国。当時ほかの民族が青銅器しかつくれなかった時代に、高度な製鉄技術をもっており最初の鉄器文化を築いた民族ともいわれています。

地中海に存在した船をたくみにあやつる「海の民」によって滅ぼされたとされていましたが、最新の研究では帝国の末期におこった内紛が食糧難などをまねき、国を維持するだけの力がすでに失われていたことが明らかになっています。

ヒッタイト帝国の魅力と不思議

天は赤い河のほとり【秘された製鉄の起源 ヒッタイト帝国とは】

  • 赤:ヒッタイト帝国の最大勢力圏
  • 緑:古代エジプトの勢力圏

さて、ヒッタイト帝国は本当にエジプトと同等の力を持っていたのでしょうか。紀元前16世紀の領地配分がこちらです。両国は対立関係にありましたが、ほぼ同等の力をほこっていたようです。ヒッタイト王国の最盛期には、エジプトがヒッタイトの子孫を皇子にしたい、と所望したほどでした。

天は赤い河のほとり【秘された製鉄の起源 ヒッタイト帝国とは】

当時とは違いますが、ご存知のとおりエジプトはいまもここに存在していますね。

ヒッタイト遺跡

天は赤い河のほとり【秘された製鉄の起源 ヒッタイト帝国とは】 天は赤い河のほとり【秘された製鉄の起源 ヒッタイト帝国とは】(画像引用元:https://en.wikipedia.org/wiki/Hittites)

最初にヒッタイト遺跡を発見したのは1834年、そう、かなり最近なのです。

しかしそのときにはそれが「ヒッタイトの遺跡」だとはだれもわからなかったといいます。遺跡にはみたことがない学者もみたことがない未知の文字があり、だんだんとそれは聖書にある「ヒッタイト」エジプトの文献にある「ケタ王国 」のものであることがわかっていきます。

さまざまな研究の結果ボアズキョイ (トルコの小村) の遺跡が、その昔、地域を支配していた古代ヒッタイト帝国の首都ハットゥシャであることが証明されたのです。

ザナンザ王子のストーリーはホンモノ

天は赤い河のほとり【秘された製鉄の起源 ヒッタイト帝国とは】(引用元:https://natalie.mu/comic/news/270262)

コミック文庫版5巻へに登場した、王太子カイルの弟、ザナンザ王子のお話しは本当の話しに基づいているようです。西暦前1327年エジプトではツタンカーメンが突然亡くなりました。未亡人となった女王は「強国ヒッタイトから、結婚相手として息子の1人を送るよう」求めたのです。

ヒッタイトはエジプト王女と結婚をしてファラオ (古代エジプトの君主)なるために、息子ザナンザをエジプトに送りました。しかし、ザナンザ王子はエジプトに向かう途中でエジプト人により殺害され、国境に達することはできなかったといいます。理由は相手国が自国を支配するのを避けるためだったといいますが、この悲しいシーンは赤い河のほとりでも忠実に再現されていましたね。

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あとがきにかえて

この記事では、天と赤い河のほとりにでてきたヒッタイト帝国について解説をしました。エジプトはいまもずっと栄えているのに、それと同じだけの力をもったヒッタイト帝国はつい最近まで知られていなかっんですよね。

同じくらいの勢力を誇っていたのに、3,500年たったいまも存在するエジプト。それにたいして、19世紀初頭までその存在すらわからなかったヒッタイト帝国ふたつの国の違いはいったいなんだったのでしょうか。約3,500年前にその地に存在したといわれる強国。いつかトルコにいって、自分の目で耳で肌でその感覚を感じてみたいものです。

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