【NETFLIX】愛憎劇ベルサイユのあらすじと相関図 (ネタバレあり)

現代物で見る歴史

ネットフリックスで話題となったドラマ『ベルサイユ 』。母親の死から1年後、フランスのルイ14世 (28歳) は、父親の狩猟小屋ベルサイユ を自分が思い描いた絶対君主制の象徴となる大宮殿へと移行させ、貴族たちに住むよう求めるが簡単にはいかない

貴族を拘束する黄金の監獄といわれたあの宮殿、ルイ14世が望んだ夢は果たして完成するのか…. この記事ではドラマ『ベルサイユ』のあらすじを相関図を交えご紹介します。

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ベルサイユのあらすじ

ベルサイユのあらすじ (NETFLIXドラマ)

物語はフランス国王ルイ14世が、自分が思い描いた広大な宮殿の建設を思いつくことから始まる。

1667年のフランス王、ルイ14世はまだ若く自らの権力を押し付けようとする一方で、フロンティア(ルイ13世の治世中の貴族の反乱)から心的外傷を負っていた。そこでルイ14世は、パリからヴェルサイユに権力を集中させ絶対王政を確立することを決める。当時、ヴェルサイユは単なる狩猟小屋だったが、ルイ14世はこの城を根本的に変えたいと考えていた。

ベルサイユのあらすじ (NETFLIXドラマ)

女王である母の死は、若き国王ルイ14世による治世のはじまりを意味した。彼はフロンティア時代のトラウマのためにしばしば妄想状態に陥る。周りの閣僚は「今は安全なパリに戻る時である」と決定するが、ルイ14世は、彼の狩猟ロッジヴェルサイユへ政府の記録を移動することを半ば無理やり実行。そこで彼は建築家レノトルと一緒に世界を驚かせる壮大な誇大妄想的宮殿の計画を始める。

ベルサイユのあらすじ (NETFLIXドラマ)

一方で実弟フィリップ、オルレアンの公とは考え方の違いからしばしば衝突する。兄としてルイ14世は、実弟を思う一方で武勇に秀で周りに愛される弟フィリップの存在は複雑なものであった。一方弟フィリップにしても、太陽王の影で活躍しようがない自分の立場に苛立ちしばしば兄に反抗する。

ベルサイユのあらすじ (NETFLIXドラマ)

現実から逃れたいのかルイ14世は愛人を多くもち、数々の女性が人生を狂わされることになる。一緒にいる女性に影響されやすい彼に周りは懸念しながらついていくのだった。

登場人物

ルイ14世 (ジョージ・ブラグデン)

ベルサイユ ルイ14世 (NETFLIXドラマ)

シリーズの主人公はフランスのルイ14世。フランス王ナバラ、フランスのルイ13世とオーストリアのアンの息子、スペインのマリー・テレーズの夫であり、フィリップの兄。彼は自分の国を偉大な国にするために必要なことは何でもする

ルイは自分が達成できることを自慢するために金を使うのが好きだった。それがベルサイユの建造というわけだ。王としての義務を第一に考えているが、モンテスパン夫人との恋など流されやすい一面ももっていた。ときに王冠の重圧に耐えきれず、弟フィリップの自由を羨み露骨に態度に出すこともある。感情的な一面も多く、とくに弟と言い合いになったときは力でねじ伏せることが多い。(参考:華やかに見えて実は波乱万丈でしかなかった、ルイ14世の生涯)

フィリップ・オルレアン公 (アレクサンダー・ブラホス)

ベルサイユ フィリップ役の俳優 アレクサンダー・ブラホス

ルイ14世とは緊張した関係にあり、ふつうの兄弟のように常に意見が一致するわけではない兄としてフランス国王を継承したルイはフィリップの自由をうらやむが王としてはそうはいかない

性格も正反対で意見が一致することも稀である。特に戦争に関しては、双方がお互いを腹立たしく思う場面も目立つ。フィリップは兄のせいで影が薄くなり軽視されていると感じつつも、ジュヴァリエを側におくなど、許される範囲で自由に暮らしていた。

ベルサイユ フィリップの関係 アンリエッタ リーゼロッテ シュヴァリエ (参考:ヴェルサイユの悲劇【怒涛の人生を駆け抜け毒殺された王弟妃アンリエット】)

兄の命令で結婚したイギリスの王アンリエット兄の愛人であったし、活躍出来そうな場面で潰されることも多かった後妻リーゼロッテは兄が決めた相手だったが、心根の優しいしっかりした女性で夫婦関係は良好であった。シーズン3では2人の関係は大きく改善し、一緒になって鉄の仮面の男の問題に取り組む。(参考:【オルリアン公フィリップ】太陽王ルイ14世の陰にかくれた弟帝)

モンテスパン夫人 (アンナ・ブリュースター)

ベルサイユのモンテスパン夫人 アンナ・ブリュース

愛するアンリエットの死から6カ月後、ルイ14世はモンテスパンに目を向け彼女を自分の愛人にする知性と美貌をあわせもった彼女にルイはすっかり虜になり、政治や宮廷事情にも影響が出るほどだった。王妃だけでなく、既婚女性と関係を持つことに聖職者や廷臣は反対するが王は聞く耳をもたない。

大きなきっかけとなったのは、自分の威厳を示すためにルイ14世自ら出兵した戦争。そこでかねてからの敵ウィリアムに、「女性に支配されて怖くないのか」といわれ目が覚めたルイは夫人との別れを決意王の寵愛を取り戻したい彼女は闇魔術にすがるが、宮廷側の追究によりバレてしまう。その後王の殺害を企てたとして、ルイ14世の愛も寵姫の座も権力すらもすっかり失うことになった。(参考: 【モンテスパン夫人】闇に身を落としたルイ14世の元寵姫)

歴史を紐解くためのガイド

ベルサイユ の相関図

ベルサイユの相関図 (ネットフリックスドラマ)

 

ベルサイユの相関図 (ネットフリックスドラマ)

ドラマのために作られたキャラクター

ドラマベルサイユ (架空のキャラクター)

大河ドラマがそうであるように、ドラマ「ベルサイユ」も実際の歴史にいくつか脚色が加えられている。います。ストーリーが複雑でスリリングなことを考えると、シリーズの重要な登場人物の中には架空の人物がいて、だからこそ登場人物たちは歴史を変えることなく自然な流れを演出できるのだ。

架空の悪者として登場しているのが、カッセル公爵、プロテスタントのベアトリス・デ・クレアモント (無垢な娘ソフィー)、ルイ・ド・ローハンと共謀する覆面の暗殺者マイク。そしてヴェルサイユ近くの路上で(虚構でもある)パルテネイファミリーを虐殺したモンコートそしてシリーズで超重要人物となっているファビアン・マーシャルも実在の人物ではないという。また彼の片腕の庭師であるジャック、そして大切な場面に多々登場したマッソン医師と、クロディーヌも実在の人物ではない。当時ルイ14世の医師をつとめていた医師はアントワーヌ・ヴァロという人物だそうだ。

ファビアン ・マーシャルは架空のキャラクター

ベルサイユ ファビアンとクロディーヌ

屈強な護衛隊長ファビアン・マーシャルも架空のキャラクター。ルイ16世と王室の残りの人々を守ることはファビアンの任務。ファビアンはルイ王にとって脅威と見なされる個人を調査し、必要であればそれを排除しなければならない。王への忠誠心がつよく反逆者へは手法を厭わず排除するが、親を亡くしたソフィーやエンティエンヌ神父の元犠牲になりかけた幼い命を救うなど優しい一面ものぞかせる。

命をかけてルイを守るファビアンは必要なときに手を汚してしまうことで知られており、シーズン3まで、あるいはおそらくクロディーヌに会うまで、国王が命じる残酷な行為に異議を唱えたことはなかったしかしパリの抗議者全員を逮捕するよう命じられた後、彼はルイの専制的野望を助長するよりも、むしろ彼の地位を辞任することを選ぶ。

本作品の魅力と見所まとめ

実在した人物が見事に織り込まれている

ベルサイユの相関図 (ネットフリックスドラマ)

このドラマには、ルイ14世の治世に実在した人物も多く登場する。ルイ14世の母アン、スペインから嫁いできた王妃マリー・テレーズ。アンリエッタの兄の英国王。早くに宮廷を出て行った愛人ルイーズ・ド・ラ・バリエールも実際の人で、寵姫となりルイ14世をふりまわす愛人 (アセナイス・ド・モンテスパン)も実在している。

忠実な廷臣ボンタン、誘拐されたドーフィン (のちのルイ15世)、そして最もゾッとするのは、裏切り者の旧友(かつての幼なじみで、ドーフィンを誘拐し王を殺害する北部の陰謀に実際に加わったルイ・ド・ローハン)だ。

こんなところに注目

ベルサイユの相関図 (ネットフリックスドラマ)

過激なストーリーで視聴者を引き込むのは大前提として、『ベルサイユ』の1番の面白さは、宮殿を建設する過程に焦点がおかれているところかもしれない。太陽王として絶対王政を築いたはずのルイ14世が、その重責や弟との軋轢、曲者の廷臣たちに戸惑い、ときに大きく裏切られながらも頭の中で描いた「荘厳な宮殿」を実現させていく姿は圧巻である。

『陳は国家なり』というルイのイメージを変えず、彼の人間らしい面が垣間見れるのだ。もしネットフリックスを契約しているのであれば、ぜひエンタメを超えたドラマを体感してほしい。ルイ14世やフランスだけでなく、世界史がもっと面白く感じるはずである。

シーズン3の日本公開はいつ?

ベルサイユの相関図 (ネットフリックスドラマ)

ちなみに放送的に過激なシーンもあり視聴率も低迷したことから、ドラマベルサイユはシーズン3で打ち切りになったそうだ。そのシーズン3はすでに放送されているが、日本ではまだ未公開となっている。ネットフリックスでのリリース日も未定だ。軋轢があった兄弟の仲がまとまり、一緒になって敵に向かう構成となっているらしい。とにもかくにも、シーズン3がネットフリックスにあがることを願うばかりである。

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