【アフガンでの中村哲医師 銃殺事件】海外の反応 | 報道内容まとめ

中村哲医師銃殺事件 海外の反応その他

アフガニスタンで医療や灌漑事業などの人道支援に取り組む非政府組織 (NGO)ペシャワール会の中村哲医師 (73)124日、現地で銃撃され亡くなりました。この痛ましい事件を嘆いているのは日本だけではありません。イギリスBBC Newsを筆頭に、海外での報道内容をまとめました。

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アフガニスタンに広く貢献した、中村哲医師とは

中村哲医師銃殺事件 海外報道まとめ

中村哲さんは、1946年に日本の福岡市で生まれました。医師の資格を得た後、ハンセン病患者の治療のため1984年にパキスタンに移住。その2年後、彼はアフガニスタンに向かい、そこで初めての診療所をナンガルハールの人里離れた村で開き、NGO、Peace Japan Medical Services(PMS) を設立しました。

PMSはピーク時には10の診療所を運営し、ハンセン病患者や難民などに支援を提供していました中村医師はまた、清潔な水がないために多くの人々がコレラやその他の病気に苦しんでいる村で、井戸の建設と灌漑に深く関わってきました。2003年には、アジアではノーベル賞に相当すると広く認められているラモン・マグセイサイ賞を受賞しました。

ジャパンタイムズ紙への語りにみえる、中村氏の表情

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2014年中村博士はジャパンタイムズ紙に、自分の安全を確保するために「毎日違うルートを使って、仕事へいっていた」と語っています。しかし彼はまた、彼が取ることができる最善の予防策は「みんなと友達になることだ」と付け加えたそうです。

memo私は敵を作らないようにしてきました…。原則がないと思われても、みんなと仲良くするのが一番です。私がそこで頼りにできるのは人だけだからです。これは銃を持つよりも驚くほど効果的なのですよ。“I’ve tried to make no enemies… The best way is to befriend everyone, even if that makes people think I lack principles. Because the people are the only thing I can depend on there,” he said. “And that’s surprisingly more effective than carrying a gun.”(BBC newsより引用  https://www.bbc.com/news/world-asia-50654985)

中村氏はどうやって攻撃を受けたのか

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中村医師は水曜日の朝、東部のナンガルハール州のジャララバード市を車で走っている途中に攻撃を受けた。AFP通信によると、彼は右胸を撃たれ、首都カブール近郊の病院に移送。彼の3人の警備員、運転手と彼の同僚の1人も殺されたと、ナンガルハール州知事の広報担当者が語っている。写真では、白いピックアップトラックのフロントガラスに少なくとも3つの銃弾の穴が開いているのがわかるDr Nakamura was travelling in a vehicle in Jalalabad city in the eastern province of Nangarhar on Wednesday morning when he came under attack.He was shot on the right side of his chest and was in the process of being transferred to a hospital near the capital Kabul when he died at Jalalabad airport, officials told AFP news agency.His three security guards, a driver and one of his colleagues were also killed, said Attuallah Khogyani, a spokesman for Nangarhar’s governor.Photos from the scene showed a white pickup truck with at least three bullet holes in its windscreen.(BBC newsより引用  https://www.bbc.com/news/world-asia-50654985)

事件に対する海外の反応

中村哲医師銃殺事件 海外報道まとめ

アフガニスタンのアシュラフ・ガーニ大統領の広報担当者は、政府はアフガニスタンの「親友」に対する「凶悪で臆病な攻撃」を強く非難すると述べた。Sediq Sediqqiは「中村医師は、アフガニスタンの人々の生活を変え、水の管理やダムの建設、伝統的な農業の改善に生涯を捧げました」とTwitterに書いている。

カブールのオランダ大使エルンスト・ヌーマンは、この殺害を「まったくの無益」だと語り、中村医師は「アフガニスタンの平和と発展」に生涯を捧げたと語った。Tolo Newsによると、ナンガルハール州知事のShah Mahmood Meyakhailは、「ナンガルハールの全住民」中村医師の死を悲しみ、長年にわたる民衆の支援に感謝していると述べたという。

A spokesman for Afghan President Ashraf Ghani said the government strongly condemned “the heinous and cowardly attack” on Afghanistan’s “greatest friend”. “Dr Nakamura dedicated all his life to change the lives of Afghans, working on water management, dams and improving traditional agriculture,” Sediq Sediqqi wrote on Twitter. The Dutch ambassador in Kabul, Ernst Noorman, called the killing “senseless”, saying Dr Nakamura had dedicated his life to the “peace and development of Afghanistan”. The governor of Nangarhar province, Shah Mahmood Meyakhail, said “all the people of Nangarhar” were saddened by Dr Nakamura’s death and were thankful for the many years he spent helping the people, Tolo News reports. (BBC newsより引用  https://www.bbc.com/news/world-asia-50654985)

あとがきにかえて

中村哲医師銃殺事件 海外報道まとめ

この報道によく出てくる「ペシャワール会」は1983年に中村さんの医療活動を支援する目的で設立されたNGOです。2008年、アフガンで農業支援に取り組んでいたスタッフの伊藤和也さん(当時31)がアフガン人の運転手と共に拉致され、遺体で見つかる事件が起きていました。

事件後、同会は日本人スタッフを帰国させましたが、中村さんは現地に残り活動を続けていたそうです。安全対策のために毎日ルートを変えてまで活動を続けていた中村さん。そこに住む人のために捧げた時間を、命をいとも簡単に奪ってしまう銃というのは本当に恐ろしいものです。安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。

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管理人

歴史オタクの英日翻訳者。

スペインの児童書「ベラスケスと十字の謎 」に魅了され、世界史に夢中に。読み漁った文献は国内外あわせて100書以上。史実をもとに、絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

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