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【マリー・アントワネットの最後】赤字夫人と呼ばれた王妃の生涯 (処刑編)

 
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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。ダーリンはアメリカ人、ゆるゆる仲良くやっています。

ようやく子供ができ、散財も落ちつき幸せに包まれた矢先のこと。飢えと貧困にあえぐ国民の不満は、フランス国王と王妃へむかっていったのでした。王妃から一転して罪人となったマリー・アントワネットこちらは輿入れ編につづく最終編です。

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全ての不満はマリーとルイ16世へ

マリー・アントワネットの最後

マリー・アントワネットに向けられた悪質な噂、友人をひいきして大臣へとりたてた、衣装代で国を潰すなど、根も葉も無い噂も多かったといいます。自業自得なものもあれど「首飾り事件 (マリーをよく思わない伯爵夫人に陥れられた) 」など、そこまでしなくてもというものもありました。

  • 7年間なりをひそめていた反オーストア派と、
  • 反ルイ16世派 (玉座をねら弟や従兄弟)
  • 反アントワネット (彼女に疎んじられた貴族たち)

に宮廷街の反王政派もいっしょになり、王と王妃に襲い掛かったのです。決断を欠いた王と、ようやく王位継承者の母として、王妃の自覚を持ち始めたばかりのマリー。そんなとき、彼女がいちばん必要としていたときに偉大で賢明な母マリア・テレジアはすでにこの世を去っていました。宮廷の外では貧困が深刻化し、農民や労働者の食事の困窮はさらにひどくなっていき、国はフランス革命へと傾向していきます。

 

そしてフランス革命

たまりたまった国民の不満がついに爆発

マリー・アントワネットの最後

そしてとうとう「あの日」が近づいてきます。17897月、当時は火薬庫であったバスティーユ牢獄の襲撃をきっかけにフランス革命が勃発します。ヴェルサイユ宮殿へも暴徒が押し寄せました。そしてルイ16世とアントワネットはパリへ幽閉されてしまいます。

 

国王の処刑と、アントワネットへの残虐な処遇

マリー・アントワネットの最後(収監されたルイ16世)

議会の投票の結果わずか1票差で処刑がきまり、1793年1月、ルイ16世は処刑されましたさて、アントワネットと子供達はどうなったのか。

マリー・アントワネットの愛くるしい娘たち (マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) (マリー・テレーズ 画 アドルフ・ヴェルトミュラー)

長女マリー・テレーザは家族と引き離され、2年余り幽閉されました。人質交換で2年後に母の母国オーストリアへ戻った時には、口が聞けず、失語症のような状態になっていたといいます。ただある意味では生き残った女の子でした。あどけなかった少女ですが、母親に似て美しく成長します。

マリー・アントワネットの愛くるしい子供達 (マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟)

マリー・テレーズはルイ16世とマリー・アントワネットの子女の中で唯一天寿を全うしたともいえます。そして王位継承者であったルイ・シャルル、こちらもまだあどけない男の子です。

ルイ・シャルル (マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) (ルイ・シャルルの肖像画) 

狭い独房に閉じ込められ、放置され10歳の生涯を終えました。幼く愛くるしい彼自身がなにをしたわけではないのですが、人とは思えない扱いをむけ、処刑ではないものの、ある意味で処刑よりもむごい最期を迎えました。(子供たちについてはこちらに:【恐怖の監禁生活 | マリー・アントワネット】の子供はどうなったのか)

 

幽閉されたマリー・アントワネットのことば

幽閉中の王妃 (マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) (幽閉中の王妃 マリー・アントワネット)

次々と見せつけられる身近な人たちの残酷な死、マリー・アントワネットの髪の毛は、一夜にして真っ白になったといわれています。そのときの彼女の言葉が残っています。

不幸になってはじめて、自分が何者なのか、本当にわかるものですね

彼女の母国は、オーストリア。それも名門オーストリアハプスブルク家彼女だけなら母国に帰ることもできたのでしょうが、彼女はフランスにて運命を共にすることを決めたのでした。

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マリー・アントワネットのギロチン処刑

処刑台へとむかうマリー・アントワネット (フランス王妃の最後) (処刑台へ向かうマリー・アントワネット)

1793年10月16日午前11時、牢から出されたマリー・アントワネットは処刑台へとむかいます。乗せられたのは、「動物用の荷車」。ゆっくり市中を引き回され沿道からは、怒りにとらわれた市民からの罵倒が飛び交いました。(のちにナポレオンのお気に入りとなる) ダヴィットが最期マリー・アントワネットの姿をスケッチしていました。

処刑前の王妃の様子のスケッチ(マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) (処刑前の王妃の様子のスケッチ 画:ダヴィッド)

ギロチンの刃が上すべりしないようにと髪の毛を切られて、革命広場で皆があつまるなか座らされるアントワネット。いつでも美しく着飾っていたアントワネットにとって、それがどれだけ屈辱だったか。あれだけ綺麗だった王妃の顔にはシワが描かれ、一瞬惨めさが伝わってくるのですが、それと同時に “運命を引き受けた王妃の最期の覚悟” も伝わってくるのでした。

王妃マリー・アントワネットのギロチン処刑 (マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) (王妃マリー・アントワネットのギロチン処刑)

ギロチン台の置かれた広場へつき、毅然とした態度で処刑台に上るアントワネット。その死に方は見事なものだったといわれています。(子供たちの最期についてはこちら【恐怖の監禁生活 | マリー・アントワネット】の子供はどうなったのかにまとめております)

 

なぜマリー・アントワネットに批判が集中したのか

マリー・アントワネット1788年の肖像画 (マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) (1788年 マリー・アントワネットの肖像画)

夫のルイ16世は歴代の王たちと違って「愛妾 (ポンパドゥール夫人のような公式な愛人) 」をもたなかったため、マリー・アントワネットが不満の受け口になってしまったのではないか、という見解もあります。愛妾は大抵、大勢いる王の相手からただひとりが選ばれ、

  • 王妃より広い居室があたえられ
  • 特別行事を除いて、宮廷の華やかさを独占し、
  • 政策の失敗、赤字が重なればアイツのせいだと叩かれる

愛妾 (王の公的な愛人)は、全ての憎悪のはけ口にもなっていたのです。

モンテスパン侯爵夫人(マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) (ルイ14世の愛妾 モンテスパン侯爵夫人フランソワーズ)

一見どうなのかと思えるこの制度が同情をひき、いろんな意味で王妃をまもってきたのかもしれません。公式寵姫がいなかったルイ16世、もちろん歴代の王の失態の積み重ねとタイミングの問題も色濃いですが、「不満の受け口」になるような存在がなく、その分のすべての感情がマリー・アントワネットに向いてしまったのかもしれません。(参考記事:【ルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人】美貌と知性で愛人から国政へ)

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あとがきにかえて

マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟 (大人になったマリー・アントワネット)

マリー・アントワネットの父母、この政略結婚時代にはめずらしく恋愛結婚でした。 父母に憧れ旦那となるベリー公の肖像画がおくられてきたときも、「まるで騎士のような方だわ」と気に入り、マリーは「自分も好きな人と結婚して、幸せになるのだ」と妄想にふけっていたといいます。それを見た母は、

1747年、皇帝夫妻とヨーゼフ (マリー・アントワネットの最後 フランス王妃の覚悟) あなたがいま考えていることは現実とはまったく違うことです。肖像画からわかるのは外見だけですよ。そして結婚においては、外見より中身の方がずっと大切なのですあれこれ想像するのをお辞めなさい。現実がみえなくなってしまいますよ (画像:1747年、マリア・テレジアとヨーゼフ夫妻)

と忠告したといいます。

はからずも主役を演じさせられることになった悲劇の、もっとも美しい例がマリー・アントワネットだといわれていますが。もしルイ16世の兄が死なずに生きていたら、もし嫁いだのがマリーではなかったら、もしベリー公が早く手術をしてすぐに子供ができていたら。

本当に些細な偶然の積み重ねがこの「大きな悲劇」をうみだしてしまったのか、元々こういう運命が決められていたのか「フランス王妃のままで死にたい」と最期に決意を決めたマリー・アントワネットの強さも人々を魅了する要素なのかもしれません。(晩年の王妃への批判についてはこちらの記事:【陥れられた王妃】マリー・アントワネットの首飾り事件にまとめております)

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バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて通訳、翻訳に従事。フリーの翻訳やイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。ダーリンはアメリカ人、ゆるゆる仲良くやっています。

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