【本当にあった拷問道具?】中世に使われた鉄の処女 (アイアン・メイデン)

鉄の処女世界史奇談

中世には様々な拷問器具が存在しましたが、その中でも恐れられていたのが女性を象った形の中に妃人をいれ、中に配置された針で串刺しにするというの処女 (アイアン・メイデン)です。この記事では、この恐ろしい拷問道具のあれこれについてみていきたいとおもいます。

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鉄の処女とは

鉄の処女とは、中世ヨーロッパで使用されたとされる拷問器具のひとつです。女性像を模した箱に、鉄の針が内側に向けて配置されているのが特徴で、人を箱に閉じ込め、針を突き刺すことで、とても残忍な拷問を行うことができました。

鉄の処女は、非常に残酷な拷問器具の一つとして有名です。拷問を行う側が被害者を鉄の処女に閉じ込め、針に突き刺すことで、非常に痛みの強い拷問を加えることが可能でした。鉄の処女が登場するのは主に中世のヨーロッパであり、犯罪者や政治犯、異端者など、社会から排除された人々を拷問するために使用されていたといいます。

痛みの度合い

「鉄の処女」の外見には、美しい女性像が彫られています。

しかし、一旦鉄の処女に閉じ込められたら最後、内部に多数配置されている針は非常に鋭いため、被害者はかなり激しい痛みを味わうことになります。

針が入った瞬間から、被害者の身体は針によって貫かれ、内臓が破裂することもあったとされています。鉄の処女は、針が内側に向けて配置されているため、外見は非常にグロテスクなものになるともいわれています。鉄の処女を使用した拷問では、被害者が亡くなるまで拷問を続けることが多かったそうです。

鉄の処女の出自

鉄の処女は、中世ヨーロッパにおいて非常に広く使用された拷問器具の一つであり、歴史的な残虐行為の一つとして記憶されています。そのため、現代においても、鉄の処女をモチーフにした小説や映画が作られるなど、非常にグロテスクなイメージとして知られています。

しかし、「本当にあった」という実在説がある一方、本当は存在しなかったのではないかという説も存在しています。また、鉄の処女が実際に使用されたかどうかについても、議論があります。一部の研究者は、「鉄の処女は中世に実際に使用された可能性がある」と考えていますが、証拠は見つかっていないのです。

血の伯爵夫人御用達?

また、鉄の処女の出自については、「血の伯爵夫人」で知られるエリザベート・バートリが若い女性を殺すために作らせた、という説もあります。侍女がエリザベートの髪をクシでとかしていたところ、クシにからまりついた髪を誤って引っ張ってしまい、怒ったエリザベートが髪留めで侍女の胸を何度も鉄の棒で突き刺したというのです。

返り血を浴びたエリザベートは、血がかかった手を拭うと肌が金色に輝いてみえたというのです。そこからエリザベートは「処女の血」を浴びると肌が綺麗になるとして、村中の処女を自分の元へと集めるようになりました。血に飢えたエリザベートが、若い女性の血液を搾り取るために作らせたのがこの「鉄の処女」だというのです。搾り取られた処女の血液は管を通してバスタブへと注ぎ込まれたともいわれていますが、こちらにも証拠はありません。

恐怖が憶測を呼び

一方、鉄の処女が非常にグロテスクなイメージとして知られている理由については、それが実際に存在したかどうかに関係なく、人々が持つ「拷問器具」に対する恐怖感や嫌悪感が反映されていると考えられます。また、中世には、拷問が広く使用された時代であり、人々が拷問によって受けた苦痛や苦悩が現代人には理解し難いものであるため、「鉄の処女」がその象徴として残されているという側面もあります。

現代においては、鉄の処女は単なるグロテスクなイメージではなく、歴史的な残虐行為を伝える教材として、また、拷問器具を取り扱う博物館や展示場において展示されることもあります。また、鉄の処女をモチーフにした小説や映画も依然として作られ続けており、人々の興味を引き続けています。

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まとめ

中世に存在したと思われる恐ろしい拷問道具、鉄の処女。在説を後押しする、欧州各地で展示されている実物も、ほとんどが19世紀半ば以降の再現品です。ニュルンベルクの鉄の処女も、19世紀に作られたオリジナルは空襲で焼失してしまっています。現存する鉄の処女はすべて18世紀末以後に作られたものであり、伝説で語られている中世のオリジナルは存在していないのです。

といっても、鉄の処女のような拷問器具が現代において使用されることはなく、人権や人道を尊重する社会においては、そのような残虐行為が行われることがないよう、常に理性が問われています。歴史を学び、そのような行為が二度と繰り返されないよう、常に警戒することが求められているのかもしれません。

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管理人

歴史オタクの英日翻訳者。

スペインの児童書「ベラスケスと十字の謎 」に魅了され、世界史に夢中に。読み漁った文献は国内外あわせて100書以上。史実をもとに、絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

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