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【ジャックザリッパー】 イギリス中を恐怖に陥れた狂気の殺人鬼

2021/04/09
 
ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは)
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謎の女性。歴史の中の人物像を徹底的に知りたがる世界史オタク。絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

霧深いロンドンの街に現れた殺人鬼ジャックザリッパー。1888年8月からの3ヶ月、その姿なき殺人鬼は残忍な手口で次々と娼婦を殺し、ロンドンの人々を恐怖に陥れました。その後犯人は突然姿を消し事件は迷宮入り、『未解決の事件』としてもいまだに人々の心をざわつかせています。

その謎めいた存在は主にミステリーファンを魅了し、名探偵コナンの映画『ベイカーストリートの亡霊』にも登場しました。この記事では最新の考察も含めて、この謎の殺人鬼『切り裂きジャック』も呼ばれるジャックザリッパーの正体に迫っていきます。

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ホワイトチャペル近くで起きた、不可解な殺人事件

第一の被害者、メアリアンニコルズ

切り裂きジャック

18888131日の早朝、ロンドンのスラム街ホワイトチャペル地区で女性の死体が発見されました。遺体は服を着ておらず、道路のど真ん中に仰向けになった状態で放置されていました。あろうことか顔はめった切りとばかりに傷だらけで、喉に至っては脊髄に達するまで深々とえぐられていたそうです。

被害者は近くの木賃宿に泊まっていたメアリ・アン・ニコルズという42歳の娼を生業としている女性でした。近くの住人は叫び声を聞いておらず、返り血でたくさん浴びたであろう犯人も全く目撃されていないという不可解な事件でありました。

お腹はまっぷたつに切り裂かれ血の海に泳いでいるようなその死体について、検死医は、「凶器は刃渡り7,8インチの頑丈なナイフで犯人は左利きの人間」だという見解を残しました。さらに発見時手足にはまだかすかにぬくもりが残っており、その時点で死後30分以内だったことも示唆されました。

 

第二の殺人、怪しい鳥打ち帽をかぶったさえない男

切り裂きジャック

しかし同一犯によるものと思われる死体が発見されたのは、数日後のことでした。ハンベリー街のある木賃宿の庭で見つかったのは、両手を高く上げた女性の死体。血塗れの脚もあらわに、下から切り裂かれた女性は頭と胴がなんとか繋がっているような異様な様だったそうです。

第二の被害者は、同じく娼を生業としているアニー・チャップマンという女性でありました。「午後5時半頃、その女性が男と言い争っているのを見かけた」という近くの公園管理人の妻により、男のほうは40歳いくばくかで鳥打ち帽をかぶったさえない男であったことが判明しました。死体からは一部内臓がなくなっており、解剖知識にくわしい人間による犯行説が囁かれました。それは警察医でも1時間はかかりそうな大仕事であったといいます。

 

ホワイトチャペルにみえる、霧の都ロンドンの闇

切り裂きジャック

「世紀末のロンドンは大英帝国最後の最も良き世代だと言われているけど、実際は貧富の差が激しくて 犯罪は悪質化し人々の心が荒んでいった時代 名探偵コナン ベイカーストリートの亡霊 灰原哀より引用

イギリスは階級制度が厳しいことで知られていますが、ロンドンでもウェストエンドはいわゆる山手。ホワイトチャペルのあるイーストエンドは下町にあたり、そこでの生活はまさに貧しさと飢えの地獄絵図でありました。

ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは)

子供たちは飢えと病に次々と倒れ、小学校にも入らないうちに命を落としていきました。そんな中でおこったむごたらしい殺人事件に、ホワイトチャペルの人々は恐れ慄かざるをえませんでした。やむを得ずに身をうって生計を立てている哀れな女性はなぜ次々と命を奪われなければならなかったのか、その真意は誰にもわかりませんでした。

 

当時の捜査状況

ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは)

当時のイギリスでは、まだ指紋や血液型による判別方は知られていませんでした。もちろんトランシーバーなどもありませんから、捜査はもっぱら土地鑑と一般人への聞き込みで行われたのです。親族関係者など因果関係があるものならまだしも、ジャックザリッパーによる事件は『被害者』と『加害者』をつなげる手がかりなどもない無差別殺人でありました。

警察は手を出すこともできず9月30日の夜明け、またしても残虐な殺人事件が、しかも二箇所同時に発生したのでした。第一の遺体が発見されたのは午後1時すぎのこと、バーナー街のはずれにある労働者クラブの中庭でした。そして第二の遺体はシティのマイター広場にて。2人ともまたしても娼を生業としている女性であり、2人目のキャサリン・エドウズにいたっては通りに酔い潰れているところを警察に介抱され釈放されたばかりのところを切り裂き魔にあったのでした。警察の証言によると、第二の事件における反抗時間はわずか10分前後。バーナー街はロンドン郊外、マイター広場はロンドン市内にあるためふたつの間にはかなりの距離があり、交通手段としては馬車しかないような時代になぜ同じような事件が同時におこったのか、警察はまた頭を抱えるはめになったのでした。

 

殺人鬼『切り裂きジャック』からの挑戦状

ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは) (イメージ画像 切り裂きジャック canvaより引用)

人々がこのサイコパスな殺人鬼を「切り裂きジャック」と呼びはじめたのは、この頃のことです。国中が恐れ慄きつつも、色んな憶測が飛び交いました。鋭い刃物を使い内臓をえぐり出すことから、犯人は『肉屋』もしくは『医者』ではないかといった声もあがりました。そんな中、このいかれた殺人鬼から警察へ挑戦状が届きます。

ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは)

警察の連中が、俺を逮捕したも同然だといっているらいい。笑える。(中略 俺は殺しが好きだ。次は女の耳をとって送ってやろう。俺のナイフは殺したくてウズウズしている。切れ味のよいナイフだ 敬具 ジャックザリッパー 1888925

この手紙は前述した二重殺人が2日前にポストに放り込まれたものです。この手紙には娼を生業としている者に恨みがあることも書かれていました。

 

自警団の団長に届いた、とんでもない贈り物

ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは)

そして、ホワイトチャペル自警団の団長ラスク氏宛に差出人のない小包が届いたのは翌月16。中身は人間の腎臓の一部、送り主の名前はなくただ「ラスクさん、捕まえられるものなら捕まえてごらんなさい 地獄より」といったことが書かれていたそうです。検視によりこれは第四の被害者であるキャサリン (二重事件の後者)のものだと判明しました。

そして119日、人々の恐怖が冷めやらぬ中第五の殺人事件がおきました。被害者はまたもや夜を生業とする女性、24歳のメアリ・ジェイン・ケインでありました。発見されたのは朝の10時45分頃、木賃宿のなかでのことでした。

 

ジャック・ザ・リッパーに関する考察

ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは)

被害者の死体は、その後すべて法医学者の鑑定にゆだねられました。下記がトマス・ボンド医師による検死報告の一部です。

  • 5つの殺人は、あきらかに同一人物の反抗
  • 被害者はみな横たわった状態で殺され、最後に喉を切られている
  • 反抗時間はいずれも午後1時か、2時の間
  • 被害者はいきなり急所をねらわれ、悲鳴をあげたり抵抗した形跡はない
  • 一件をのぞいて、被害者は右から襲われている
  • 犯人は手足や衣服に返り血をあびているはず
  • どの事件も切り裂き方は同じ
  • 凶器は刃渡り17,8センチ、幅3センチの鋭利なナイフ (直刀)
  • 犯人は変質者か殺人狂でいつもマントを着て返り血を隠している可能性がある

街には色々な噂が流れ、新聞にもさまざまな観測記事がのりました。どの事件も週末に行われていることから、犯人は毎週木曜か金曜の夜にテムズ川に停泊し、土日どちらかに出発する家畜運搬船の船員ではないかといった説も出ました。

ヴィクトリア女王

これはヴィクトリア女王もわざわざ「家畜運搬船を捜査」するよう指示をしたほど、信憑性の高い物でした。あれだけの切り裂き術をもつのは「肉屋だからではないか」といった憶測もこの説を後押ししました。

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急に収束を迎えた猟奇殺人と、残された4人の容疑者

容疑者のひとりは怪僧ラスプーチンの親友

Rasputin【グリゴリー・ラスプーチン】怪僧と呼ばれたロシアの祈祷師

何人かが疑いをかけられましたが、その中にはロシア人のペダチェンコというドクターもいました。彼は怪僧ラスプーチンの親友で、ロシア皇帝政府の手先となって英国を混乱に陥れるためロンドンに送られた人物でした。

そのほかにも有力な人物として警察があげたのは、MJドルイットという青年弁護士彼はジャックザリッパーの最後の反抗直後に失踪し、50日後テムズ川で死体で発見されました。名門家族ではありましたがかなりの変質者で、家族ですら彼が犯人なのではないかと疑っていたほどでした。

 

絞り込まれた容疑者たち

ヴィクトリア朝 ファッション

他にもコズミンスキーという、ホワイトチャペルで孤独な生活を送っていたユダヤ系ポーランド人。こちらも最後の反抗の4ヶ月後に精神病院にはいっています。マイケル・オストログというロシアの医者もあげられました。彼はすでにいくつかの犯罪経歴があり、事件の当日の足取りが不明となっていた男性です。

またジャックザリッパーは「女性だ」という珍妙な説もあります。最後の犠牲者であるメアリ・ケリーの部屋の炉に紙屑や布切れをもやしたらしい灰が残っていた頃から、犯人が返り血を浴びた自分のドレスを脱いで部屋にあったメアリのドレスをきてその場を立ち去ったというのです。しかしこれだけの捜査がされ、容疑者が絞られていたにもかかわらず警察は最後まで犯人を特定することはできなかったのでした。

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あとがきにかえて

ジャックザリッパーの正体に迫る (殺人鬼切り裂きジャックとは)

最後の犠牲者メアリが発見されると忽然と姿を消したジャックザリッパー。犯人が絞り込まれたとはいえ事件の解明には至らなかったからか、その正体については今も世界中でミステリファンたちをざわつかせています。

ただ一説によるとロンドン警視庁は、いつからかほぼ真犯人を絞り込んでいたともいわれています。事件から77年たった1965年、ロンドン警察で刑事捜査部長をつとめていた刑事捜査部長マクナートンのノートには上述した『MJドルフィット』『コズミンスキー』『マイケルオストログ』の名前があったそうです。ごく最近まで好評されず当局のあいだだけで秘密にされていたデータがいくつかあるのだという。それは奇妙にも、犯人の家族の名誉のためにとられた措置であったとか。

しかし世紀が変わりここまでくると犯人像すら霧の中。とっくに亡くなっているサイコパスな犯人の名がなぜ今でもあがるのか。人々の好き勝手な妄想の中でジャックザリッパーは今でも生き続けているのかもしれません。

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参考文献

  • https://www.tms-e.co.jp/alltitles/conan/087306.html
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Jack_the_Ripper
  • https://www.history.com/topics/british-history/jack-the-ripper
  • https://www.britannica.com/biography/Jack-the-Ripper
  • https://www.jack-the-ripper.org/

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