【チャールズ皇太子とダイアナ妃】ザクラウンで描かれた愛なき結婚とすれ違い

イギリス王室

未来の国王であるチャールズ皇太子と、若く美しいダイアナ妃の結婚は誰もが羨むお伽話のような結婚でありました。若きプリンスと美しいお妃の結婚は大々的にメディアに取り上げられたわけですが、その実情は今誰もが知る通り、全く違ったものでした。

将来のある若き女性が不条理に耐えかねず正気を失い、最終的に王室全体に押しつぶされてしまった悲劇の物語この記事では、自分を守ることばかり考えた皇太子が、いかに妃ダイアナを追い詰め不幸な結末を導いたかを追っていきます。

この記事のポイント
  • 妃ダイアナが注目されるほど皇太子は嫉妬し、辛くあたるようになった
  • 皇太子に愛はなく、ダイアナは形式だけの「お飾り王妃」となっていった
  • イギリス王室に居場所はなく、離婚後も冷遇され辛い立場に置かれることとなった
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孤独のダイアナ妃

妃ダイアナが公務に集中し世間から注目されるほど皇太子は嫉妬し、辛くあたるようになりました。また離婚を認めない方針だったエリザベス女王も皇太子の相談相手であった妹も、ダイアナへは「大人になりなさい」と叱咤するばかりで、基本的には息子チャールズの味方でした。

(2022年9月現在)

チャールズの父であるエディンバラ公フィリップ王配は、外部から王室へはいることの息苦しさが痛いほどわかっていたものの、特に何かができるわけでもなく決定権はいつだった「女王」と「皇太子」にありました。

深い悲しみの中で

婚約してからずっとゴシップや噂の種だったことを、ダイアナは様々な本やインタビューで語りました。チャールズ皇太子の発言や、皇室での存在は王室内で妃を最も苦しめたといいます。

ネットフリックスのオリジナルドラマ『ザ・クラウン』 では2人の関係やチャールズがいかに、小さな枝を圧し折るようにダイアナの心を切ったかに焦点をあています。それはダイアナの心を粉々にし、神経を陥落させ、過食症に追いやるほどで、世界中を虜にした彼女の目の中に現れている無限の悲しみを描いていました。

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形式だけの「お飾り王妃」

『ザ・クラウン』でダイアナ妃を演じたのは女優のエマ・コリン。このドラマの中では、チャールズ皇太子は妻を愛していなかっただけでなく、最初からカミラ夫人しか見ていませんでしたダイアナはいわば王室が納得する「飾りの王妃」周りの目も気にせず、一生懸命皇太子の気を引こうと努力をするダイアナの姿さえ

彼女は哀れだ、弱くて脆い

と嘲笑っていました

これは誇張だと考えても、シーズン4ではダイアナの過食症の始まりと、最初から誰も助けてくれる人がいない孤独感が描かれています。チャールズの最初の無礼は結婚式の前のこと、2人でのぞんだ最初の記者会見での 「2人は恋をしているの?」 という質問に、「もちろん」 と即答したダイアナ妃に対して、皇太子は彼は何の喜びも感情も見せず 「それが何を意味するかは分からない」 と冷静に答えました。

冷酷な顔

しかし、上にあげた意外にもチャールズ皇太子の卑劣で残酷な面がいくつも見え隠れします。皇太子は婚約直後のダイアナをおいて外遊へいく際、

寂しくなったら、カミラに電話しなさい。

彼女ならいい話し相手になってくれるだろう

と勧めました。彼とカミラの過去は周知の事実であったのにどういうつもりか。実際にカミラと対面したダイアナは、ふたりがあだ名で呼び合っていること、彼女がチャールズのことを知り尽くしていること、そして2人の関係が終わっていなかったことを知るのでした。

意味深なブレスレット

カミラ夫人とダイアナ妃

結婚式の数日前、ダイアナはフレッドとグラディスという文言が記されたブレスレットを見つけてしまいました。それはふたりの間でつけられたあだ名であり、カミラ夫人が匂わせた物でした。ダイアナは皇太子を問い詰めますが、「別れるために、用意したものだ」と濁されるばかりで歯切れの悪い返事しかかえってこないのでした。

そこからダイアナは「この結婚は間違っている」「私は彼に愛されていない」と気づき、「この結婚は誰も幸せにならない」と抵抗しますが、すでにお祝いモードのイギリスと王室に意見することなどとてもできず2人は周りの誘導でお伽話から、やけに現実味を帯びた結婚生活へと入っていくのでした。

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妃への嫉妬

オーストラリアへの外遊では、ダイアナ妃が脚光を浴びるほどチャールズ皇太子の自尊心が傷つき、ふたりの仲はギスギスしていきます。彼女は『国民の王女』として認められ、みんなが彼女を愛している、会いたがっている。新鮮で楽しく現代的で彼女がいると場がぱっと明るくなる…

でもチャールズ皇太子が一人で行くと、誰も興味を示さない…、それに皇太子は子供のように嫉妬し、八つ当たりのように、

目立ちがり、あなたのせいで彼らは私を見て笑う

と言い放ちました

『ザ・クラウン』のシーズン4は、チャールズ皇太子のダイアナに対する侮蔑に満ちていました。ダイアナが誕生日にサプライズで用意した、ビリー・ジョエルとのダンス動画を「彼女 (ダイアナ) のグロテスクで屈辱的な見せかけは、見るに耐えなかった」といい、それには実妹のアン王女もさすがに「いい加減にしなさい、大人になりなさい」と怒るほどでした。

そもそも愛はなく

若くして結婚したダイアナ妃に未熟な部分があったとしても、エリザベス女王がドラマで口にしたとおり夫婦はふたりで困難を乗り越えて絆が深まっていくのです。しかしそもそも彼はダイアナを愛したことはなく、常にカミラを愛していたそうです。

それどころか、修復をのぞみ努力しようとするダイアナを嘲笑う始末…

私の結婚は全て見せかけだ、狂っている。

私はただあなたと一緒にいたい。それ以外はすべてひどい嘘だ。

カミラ夫人に対してチャールズ皇太子はそう述べました。自分のことはさておき、寂しさから側近に癒しを求めた妻の悪事をあばいて離婚に繋げようとダイアナにスパイをつけたこともありました。

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その後のふたり

その後チャールズとダイアナの合意により、1992年12月9日に「王太子夫妻が別居生活に入ること」が正式に発表されました。

ダイアナが暮らすケンジントン宮殿からはチャールズの私物や痕跡が取り払われ、一方チャールズが暮らすハイグローヴ邸からはダイアナの私物や痕跡が取り払われていきました。その後1993年12月3日に、ダイアナは「王室における公務からの引退」を宣言しました。

元妃の死

1996年2月28日にチャールズとの会見を終えたダイアナは、「離婚の合意に達したこと」を発表。その中で彼女は「今後も実の母親として王子2人の養育に関する全てに携わり続け、またプリンセス・オブ・ウェールズの称号を維持する」旨を主張しました。

女王は「非常に興味深い」という冷ややかな反応をしたといいます。その後ダイアナは浮名をはせる、チャールズとの関係や王室への批判をマスコミに暴露。しかし翌年1997年8月31日にパリで交際相手のアルファイドとともに、交通事故で命を落としました享年36歳、若くして王子2人を残し悲しみを抱いてこの世を旅立った彼女は最後に何をおもったのでしょうか

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まとめ

妃ダイアナが世間から注目されるほど嫉妬し、辛くあたるようになった皇太子。そもそも彼の中には心に決めた人がおり、ダイアナ妃はやがて形式だけの「お飾り王妃」となっていったのでした。イギリス王室に居場所はなかった彼女は、つらい処遇をメディアに公開。離婚後も冷遇され辛い立場に置かれることとなったのでした。

「あわない関係」というのは確かにあり、「終わらせる勇気」もときに必要なわけですが、少しでも歩み寄れたのであれば、もう少し早く周りが離婚に同意していたのであれば。最悪の事態は防げたのかもしれません。歴史に「もしも」は存在しませんが、ザ・クラウンのシーズン4を見るとそんなことを思わずにはいられないのでした。

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管理人

歴史オタクの英日翻訳者。

スペインの児童書「ベラスケスと十字の謎 」に魅了され、世界史に夢中に。読み漁った文献は国内外あわせて100書以上。史実をもとに、絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

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不気味なる歴史の舞台裏
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