映画では語られなかった、タイタニックにまつわる3つの物語

世紀の大事件

映画タイタニックは身分違いの2人に焦点をあてたラブストーリーですが、映画で語られた以上に興味深い逸話がいくつも残っているのをご存知でしょうか。たとえば、上の写真にみえる4つ目の煙突はタイタニックの荘厳さを表すものでしたが、実は見せかけで実際には必要ではなく、船をより良く見せるために加えられたものでした。

1911年、殆どの大型船は4つの煙突すべてをつかって、巨大なボイラーから熱と煙をはき出しました。しかし高度な工学技術のおかげで、タイタニック号に必要なのはたったの3機でした。しかし、船をより印象的でバランスの取れたものにするために、4つ目が追加されたのです。この記事ではそんな、タイタニックにまつわる3つの物語をご紹介します。

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内装は、リッツをモデルにつくられた

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船に乗ってくる事すら忘れてしまうくらい立派な内装がタイタニックには求められました。内装に関して言えば、少なくともファーストクラスの客室を可能な限り豪華にするためには費用を惜しまなかった、といいます。タイタニック号の内装の多くはロンドンの有名なリッツホテルをモデルにしていました。

実際、デザイナーたちは、金持ちの乗客たちが船に乗ったことを忘れて、まるで高級ホテルにいるような気分になることを願って作ったといいます。ファーストクラスの乗客のためには、特別にプール、トルコ式風呂、スカッシュコート、サウナなどの設備も追加されていました

船の乗組員はほとんどが素人

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タイタニック号には男女平等はなく、乗組員は97%男性で、そのほとんどが熟練した船員ではなく、ただの臨時職員でありました。サウサンプトンから出航したとき、タイタニック号には885人の乗組員が乗っていましたが、1912年以来、ホワイトスターラインは職場での男女平等には程遠く、乗組員の97%は男性でした

女性はわずか23名で、ほとんどが客室乗務員として雇われ、上級者の要望や気まぐれに応えていました。大多数の男性乗組員と同じく、彼女たちも船員ではなく、正社員でもありませんでしたそして多くが、タイタニックの出航当日にはじめて船にはいった乗務員でした。

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奇跡的に悲劇を免れた男

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タイタニックに乗るはずだったのに、ちょっとした偶然で乗船することなく、あの悲惨な海難事故から免れた有名人が何人かいましたそのなかのひとりが、イタリアの発明家で無線通信の先駆者であるグリエルモマルコーニです。

ラジオの先駆者でもあるマルコーニ、彼が発明した無線機はタイタニック号の制御室に設置され、結果的に700人以上の命を救ったことでも知られています。彼はタイタニック号に乗る予定でしたが、予定変更により、奇跡的に悲劇を免れました。タイタニックの無料乗船チケットを勧められたのですが、3日前にニューヨークへ行くことを選んだのです。もし3日前の決断が、タイタニックへの乗船であったら彼の運命は大きく変わっていたのかもしれません。

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まとめ

タイタニックは、水上都市のようでしたあるいは、少なくとも、デザイナーが意図したように、高級ホテルのようなものだったのです。ファーストクラスの顧客向けに、独自の新聞もありました。スタッフが夜のうちにラジオ速報をきき、競馬情報や金融市場からの最新ニュースを新聞にして毎朝出版していました。日報には、その日のメニューのコピーも含まれていたそうです。

ときに、小さな決断がすべての運命を変えてしまうことがあります。マルコーニの場合がまさにそれで、そしてこればかりは人間の手が及ぶものではないのかもしれません。動く海上都市、当時の人々にとってはまさに「夢の船」夢だったのでしょう。ただしその終わりが、悪夢であることを誰が想像できたでしょうか。タイタニックは100年以上たったいまも暗い海の底にひっそりと沈んでいるのでした。

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管理人

歴史オタクの英日翻訳者。

スペインの児童書「ベラスケスと十字の謎 」に魅了され、世界史に夢中に。読み漁った文献は国内外あわせて100書以上。史実をもとに、絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

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