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【19世紀 パリの絵画に見える】近代の風俗と高級娼婦の存在

2020/11/15
 
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謎の女性。歴史の中の人物像を徹底的に知りたがる世界史オタク。絵画や芸術品の背景にある人間ドラマを炙り出します。

19世紀のパリは、女性にはとても生きづらい時代だったといわれています。生きていくために何時間もアイロンがけなどの肉体労働をする人もいれば、贅沢な暮らしを夢見てパトロンを捕まえるのに躍起になったり、高級娼婦となり数々の男性と身を重ねたあげく悲しい最期を迎えたり。

しかし稀に正妻の座を射止めてのし上がる運の良い女性もいました。記事では苦しい時代を生きた女性たちの生活を、絵画を通してのぞいていきます。

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問題を醸したマネの絵画、オランピア

(オランピア 1863年  エドゥアール・マネ 画像引用元:Wikipedia)

マネはこの作品を1865年のサロンに出品し、見事入選を果たしたわけですが、この絵画は当時大きな批判をよびました。その理由として、『オランピア』という名が当時の娼婦の通称であったこと、花束を持った黒人の女性が裸体の女性の召使として描かれていること。神話や歴史上の出来事を描いた絵画に登場する裸体の女性とは異なり、この女性が「当時の娼婦」を表している事が明らかであった事が批判の対象となったのです。

 

ナポレオン3世の時代は空前の売春時代だった

(フォリー・ベルジェールのバー 1882年 エドゥアール・マネ 画像引用元:Wikipedia)

こちらの絵画『フォリー・ベルジェールのバー』も同画家マネの作品で、当時の風俗が写実的に描かれ、上流階級から下層階級まで、時代の明と暗を表現した作品であるといわれています。当時フォリー・ベルジェールではバレエや曲芸などが行われており、絵の左上には空中ブランコに乗った人物の足が見えます。たカウンターにあるオレンジの入ったお皿が、うつろな表情のバーメイドが売春婦であることを暗示しています。

(フォリー・ベルジェールバーのJosephineBaker 画像引用元:Wikipedia)

実際、フォリー・ベルジェールが売春婦を抱える施設であったことは広く知られており、モーパッサンはバーメイドを「酒と愛の売り子」と表現していました。マネは何度もフォリー・ベルジェールへ足を運び、最終的には、シュゾンという名のバーメイドを自宅へ招き、カウンターの一部を再現して、絵を完成させたといいます。

(ファンタン・ラトゥールが描いたマネの肖像  画像引用元:Wikipedia)

 

19世紀のパリは、女性に厳しかった

(Le Chemin de fer 1873年 画像引用元:Wikipedia)

女性の働き口はとても少なく、花売り、走り使い、傘工場の行員、洗濯女、お針子、モデル、どれをとっても賃金は安い。若くて美しいうちに、良いパトロンを見つけるべく奔走する女性も多かったといいます。

(『アブサン』 (1876) オルセー美術館 画像引用元:Wikipedia)

必死に働いてお金を貯めるも、アルコールに逃げ場を求めて惨めな最期をとげたり。華やかな生活に憧れて、若く美しい身体を武器に高級娼婦となったものの、最期は病気をもらって命をおとすといったこともあったようです。

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愛人から正妻へのしあがる成功者も

(ポンパドゥール夫人 画像引用元:Wikipedia)

その一方で、貴族出身ではないポンパドゥール夫人が、王宮の中で蔑まれながらも実力によって周囲をねじ伏せていったように、パトロンの正妻の座を射止める女性いました。またココ・シェネルのように最初のうちはナイトクラブではたらき、パトロンから借りたお金で経営するなどして自由自適の生活を得た者もいました。

 

ドュミ・モンディーヌと呼ばれた高級娼婦

(ナナ エドゥアール・マネ 1877年 画像引用元:Wikipedia)

こちらもマネの絵画です。黒いハットをかぶった紳士の前で身支度をしている女性はナナ、高級娼婦で「ドュミ・モンディーヌ」と呼ばれる存在でした。 ドュミ・モンディーヌとは裏社交界、半社交界に生きる女性のことをさし、上流階級の集う社交界にパトロンと一緒に出入りしていました。しかし若いライバルが次々と現れるので、パトロンが明日も隣にいる保証はなく、離れてしまえば屋根裏部屋生活に戻ってしまう危うい立場でもありました。

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あとがきにかえて

(『アイロンをかける2人の女』(1884) 画像引用元:Wikipedia)

中世の王室も、贅沢な生活は数年間で、時代の変わり目とともに処刑される、といったことが繰り返されていましたが、一方で市民の生活も困窮しており、皆が必死に生きていたようです。

そういった時代背景を踏まえると、職業選択の自由があり、努力とやり方次第でいくらでも登っていける今の日本で、「つまらない、やりたいことがない」というのは、平和ボケといえるのかもしれません。マネは近代に生き、当時の風俗を写実した、興味深い絵を多数残しています。興味のある方はぜひ、絵画の中を旅してみてはいかがでしょうか。

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